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社会・時事・他東日本大震災 福島県での在宅サービスへの影響2011年5月13日15時28分

 3月11日の東日本大震災発生から2カ月が経過した。事態の推移から目が離せない福島第一原子力発電所のある、福島県の地域包括支援センターや在宅介護サービス事業者に、4月27日に電話取材を行い、震災発生以後の業務の状況などについて聞いた。

 

「南相馬市地域包括支援センター」

(福島県南相馬市原町区。市内4分の1は福島第一原発から20キロ圏内の警戒区域、約半分は30キロ圏内の従来の屋内避難区域。同センターは30キロ圏内で、現在は緊急時避難地区になっている。外出時はマスクや帽子を着用している

 在宅のサービス事業者は機能しておらず、4月いっぱいまではサービスの再開は難しいようだ。ただ、5月以降再開したいという話はいくらか出ている。地震発生以後、在宅の安否確認や見守りは社協をはじめボランティアが請け負ってくれた。地域包括は、自宅に残った人や、避難所から戻ってきた人たちの介護予防支援業務が忙しい。在宅の人々の医療や介護のニーズは情報交換しながら入手している。

 

「JAたむら ふれあいセンター」

(福島県田村市。居宅介護支援、訪問介護、通所介護、福祉用具貸与などを提供。福島第一原発から約40km離れた場所にあり、水道や電気、ガス、ガソリンの供給、食料品や生活資材の供給なども通常状態に戻っている)

 震災直後は、避難したため出勤できない職員がいたり、ガソリンの確保が難しいこと、福島第一原発の状況などを勘案し、3月15日には居宅介護支援事業や訪問介護などのサービスを一旦休止することとした。

 同事業所では、利用者の安否確認を行うとともに、家族に対しサービスを休止せざるを得ない旨と、可能であれば復旧まで家族介護での対応をお願いした。一方、独居者や避難所で過ごせない認知症の利用者については、必要に応じ介護保険施設への受け入れ手配を行った。

 その後同19日頃からは、徐々にガソリンの確保が回復してきたため、独居者などを優先し訪問や安否確認を始め、ある程度の職員が集まれるようになった22日から徐々にサービスを再開。訪問介護の提供時間帯や訪問回数は、通常より短縮せざるを得ない状況だったが、4月に入ってからほぼ通常どおりのサービス提供ができるようになってきた。原発から30キロ圏内の緊急時避難地域の利用者へも、訪問サービスを提供している。

 しかし田村市自体が、原発20キロ圏内からの避難者受け入れ対応などに追われているため、介護保険関連業務が通常通りに行えない状況。そのため、要介護認定では新規認定や区分変更が優先され、一方で認定の更新については訪問調査などの手続きがほとんどストップしている状態という。このため、介護度の更新ができないまま暫定ケアプランで対応せざるを得ないケースが出てきている。

 本人や家族の支援ニーズが変わらなくても、更新によって介護度が下がってしまう可能性も排除できないため、介護度が確定していない段階で、限度額などに配慮しながらのプラン立案や事務処理対応に頭を悩ませている。県には、更新手続きが進められない利用者については、介護認定の期間を延長するなどの配慮を求めているという。

(2011年5月10日号)

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