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社会・時事・他認知症鉄道事故 家族の賠償責任 3/1最高裁判断へ2016年2月19日07時00分

 愛知県で認知症男性が東海旅客鉄道(以下、JR東海)の電車にはねられ死亡した事故の損害賠償をめぐる訴訟について、2月2日、口頭弁論が最高裁判所第三小法廷(岡部喜代子裁判長)で行われた。今回の弁論を踏まえた判決は、3月1日に出されることが決まった。二審では、遺族に対し請求額の5割減の約360万円の支払いを命じる判決が出ており、JR東海と遺族がそれぞれ上告していた。最高裁では、原審を変更する場合には口頭弁論の開催が必須となっているため、二審の判決が何らかの形で見直されるとみられる。

 争点となっているのは、家族の認知症患者に対する監督範囲がどこまでかという点。民法714条では、監督義務を怠らなかった場合などを除き、監督義務者には責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任があるとされている。

 事故が起きたのは07年12月7日。当時要介護4だった91歳男性が、介護をしていた妻(当時85歳、要介護1)がうたた寝をした間に徘徊し、線路上ではねられ死亡した。JR東海は遅延による振替え輸送等にかかった費用約720万円の賠償を求め、提訴。名古屋地方裁判所は、妻や離れて暮らす息子に監督責任があったというJR東海の主張を認め、賠償全額支払い命令を遺族に出した。

 遺族は名古屋高等裁判所に控訴。二審では、息子の責任については棄却されたが、妻に対しては一審と同じく監督責任があったと判断した。妻らの介護を「充実した介護」と評価する一方でJR東海の安全管理体制には非はなかったとしたが、損害の公平の分担精神に基づき、一審判決から5割減の約360万円の支払いを命じた。

 口頭弁論でJR東海は、息子にも監督責任があると主張。遺族側代理人は遺族に監督責任はなく予見も不可能だったとしたうえで、「社会のあり方が問われている裁判。判決はこれからの婚姻関係・家族関係に大きな影響を与えるだろう」と話した。

 最高裁が、認知症患者に対する家族の責任についての判断を下すのは初。判決は、介護現場に大きな影響を及ぼすことになるだろう。

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