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社会・時事・他JASPA 福祉用具JISの原案作成が大詰め2013年4月15日08時00分

 福祉用具メーカー・流通事業者らで構成する「日本福祉用具・生活支援用具協会」(木村憲司会長)は、福祉用具の工業標準化(JIS、ISOなど)原案づくりで、審議団体として役割を果たしてきた。介護保険対象の福祉用具を中心に、会員企業らで原案策定のための検討会を立ち上げ、計画的に進めてきた活動も本年度で一巡する。ただ、介護ベッドなど一部を除き、JIS認証された福祉用具の流通量は少ない。利用者の安全・安心を掲げる経済産業省や消費者庁と、現場には大きな乖離がある。

低調なJIS認証

 JIS表示が進まない背景には、多くがレンタルにより商品流通する業界にあって、ユーザーの購入決定意志は作用しにくく、貸与事業者の買い換えまでは、手持ち商材が流通し続けることがある。福祉用具事業所にとって、手持ち商材の陳腐化にもつながるため「決して歓迎される取り組みではない」(某大手用具メーカー)という本音もある。車いすメーカーには「個別対応の余地のないJIS認証制度は、汎用型の一部にしか適合しない」と、そもそも制度が馴染まないと指摘する声もある。

 主務大臣の判断で日本工業標準調査会に付議せず、官報公示によるJIS制定とならないこともある。

 さらにJIS制定されたとしても、国の認めた認証機関で認証を受け、はじめてJIS表示することができるが、現時点では①「手動車いす」②「電動車いす」③「ハンドル形電動車いす」④「車いす用可搬型スロープ」⑤「在宅用電動介護ベッド」⑥「入浴台」⑦「浴室内すのこ及び浴槽内すのこ」⑧「浴槽内いす」⑨「入浴用いす」⑩「ポータブルトイレ」――に限られる。

 前提として、中小企業の多い福祉用具メーカーにとって、費用面から積極的に認証機関によるJIS認証を受けるまでに至らないこともある。

在宅用電動介護ベッドなど普及例も

 しかし、在宅用電動介護ベッドのように、業界を挙げた取り組みで、JIS認証を事実上の業界標準にまで高めたものもある。背景には、ベッド柵の隙間への挟み込みによる死亡事故や、転落、リモコン誤作動による圧迫など重大事故が相次いだことから「医療・介護ベッド安全普及協議会」(木村憲司会長)が、主体的に取り組んだことがある。

 業界に先駆けてJIS取得を推進することで、企業姿勢を示そうとする動きもある。「安寿」ブランドを展開するアロン化成(東京都港区、矢田昭社長)は、ポータブルトイレやシャワーチェアなどでJIS認証を取得した。各社とも自主基準などに基づいて、JIS規格並の安全性を担保するが、より明確にユーザーに知ってもらうことで、安心感を与え、製品選定基準に活用してもらう狙いだ。

 同社の製品構成は特定福祉用具購入対象が中心で、ユーザーの商品決定権が働きやすいこともある。

日・中・韓規格標準化による市場拡大も

 国が主体となって海外市場拡大をさせ、JIS取得の意義を高める取り組みも始まっている。日中韓の政府機関(日本は経済産業省)を巻き込んで開催されている「北東アジア標準協力フォーラム」では、現在リクライニング車いす体位変換器手すりシルバーカーについて、各国の規格基準標準化を目指し、相互に貿易をしやすくする検討が進められている。

 動き出した福祉用具分野のJIS認証取得。福祉用具サービス事業者とエンドユーザーへの一層の普及啓発が期待される。

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