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社会・時事・他介護福祉士会in大分 多職種連携で求められる発信力2016年12月19日07時00分

1206kaigof.jpg 日本介護福祉士会(石本淳也会長、写真右)は、11月25・26日に大分県別府市で第23回全国大会、第14回介護学会を同時開催した。テーマは「広げようネットワーク!介護福祉士からの提言~利用者をささえる専門職の輪~」。多職種連携をキーワードに、講演や研究発表が行われ、約800人の参加者が学びを深めた。

 シンポジウムでは「介護福祉士と多職種連携~急性期から生活期まで~」をテーマに掲げ、大分県地域リハビリテーション研究会の武居光雄会長、大分県作業療法協会の日隈武治氏、大分県栄養士会の曾我優子氏、大分県歯科衛生士会の衛藤恵美氏、大分県介護福祉士会の田﨑真一氏が登壇。各専門職の視点から、活動内容や介護福祉士への期待を述べた。

 管理栄養士の曾我氏は、特養入所時には経管栄養だったが、多職種連携で口から食べられるまで回復した83歳女性の事例を紹介。介護福祉士とPTらの丁寧なリハビリによる活動性向上に伴って、徐々に体重や意欲も増していったという。

 さらにQOL向上へ介護福祉士が中心となり、趣味の生花やおしゃべりの時間を作る中で、料理が好きだったという情報を聞きだした。「好きなものを食べる」段階に止まらず、「作って食べる」楽しみまで、繋げることができたという。「本人の嗜好が大きく関係する食などについては、ぜひ介護福祉士側からアプローチしてほしい」と同氏は強調した。

 また、田﨑氏は多職種連携がスムーズにいかない理由を、現場の介護福祉士の視点から①経験や職場による介護福祉士間のスキルの違い②他職種に壁を感じている人が依然として多い――と説明。座長を務めた三浦晃史同会大分県会長は、「OT、PTなどの他職種を『先生』と『さん』のどちらで呼んでいるか。職種間に階級意識が存在すると、どうしても気後れし、情報提供すらままならなくなる。遠慮しあわない環境が大切だ」と話した。

【石本淳也会長 大会後インタビュー】 会員倍増へ積極的な情報発信を

 ――今大会の開催意義は。

 昨年までは学術的な研究発表をする介護学会と、事例中心の全国大会を別個で開催していたが、他団体の大会なども秋口に集中し、両方には参加しづらいとの意見も寄せられていた。今回はその声に応える形でチャレンジした。濃密な大会になったと思う。

 1年に1回、全国各地から仲間が集い、情報共有や議論を行うことは、大きなエネルギーを生み出す。日頃のケアの根拠となるものを、作ってもらえたのではないだろうか。

 また今大会は熊本地震の影響もあり一時開催が危ぶまれたが、大分県士会の熱意で、無事開催まで漕ぎつけることができた。それも「学びを深めたい」というエネルギーの表れだと感じている。

 ――シンポジウムでは組織率が低いという指摘もありました。実態と対策は。

 現在の組織率は5%以下。倍増を目指したい。最大の原因は発信力がないことだと考えている。入会のメリットを伝えきれていないだけでなく、そもそも存在自体が認知されていないケースもかなりある。現場の後ろ盾となる団体として、具体的な魅力を打ち出していく必要がある。

 また、地域差も課題。人口数が違うので一概に比較はできないが、会員の多い地域と少ない地域では2,000~3,000人も差がある。話を聞くと、地域の中で存在感を発揮できているかが大切だと感じる。ブロックごとの組織力強化も重要な目標だ。

 ――会長の地元・熊本県では実際に会員数が倍になりました。

 県会長になった当初は400人だったが、7年で910人までに増えた。意識したのは「マメさ」。具体的には①研修会②HP、SNSの活用③メディア露出――に取組んだ。特に研修会は県内各地を飛び回り、また若手を始めとした現場職員が集まる場には、規模の大小問わず顔を出すことも心がけた。研修会参加者がSNSを見る、出演した地元番組を観た人が研修会に参加するなど、関心を次の活動に繋げられたのは大きい。

 また、行政とはイベント共催や頻繁な情報交換など、協力関係を築いていたことも、功を奏した。何かあった時に行政の方から名前を出してもらえるということは、現場からの信頼の根拠にもなる。

 ――今後の具体的な活動は。

 地域単位でのアプローチを日本士会が行うのは、物理的に限界がある。ブロックごとの組織力向上をベースに、日本士会は好事例の共有などのサポート体制を整備したい。現在、適宜情報発信できるよう、SNSも準備中だ。

 また他団体との連携強化もはかる。介護系の諸団体を、一番またいでいるのは介護福祉士。経営層にも入会のメリットを感じてもらうことが重要だ。引いては現場の介護福祉士の評価にも繋がる。

 制度創立当初の介護福祉士は施設での活動をイメージされていたが、現在は地域での活躍が求められている。私はこれを「今型の介護福祉士」と呼んでいる。制度のみに縛られず、時代に即した柔軟な対応ができる人材を、育成していきたい。

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