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社会・時事・他在宅ホスピス支援 秋田市北部地域緩和ネットワーク2011年12月13日19時00分

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  • 外旭川病院

 がん死亡率が高い秋田県で早期からホスピスに取り組んできた外旭川病院(秋田市、穂積恒理事長)。同院の呼びかけで、3年前から「秋田市北部地域緩和ネットワーク」をスタート、地域の医療・介護の事業所が相互に連携することで、自宅での緩和ケアを展開している。 

 県下初のホスピス病棟つくった外旭川病院軸に

 外旭川病院グループ(医療法人惇慧会)は療養病床207床と緩和ケア病床34床を同病院を主体に、外来部門の外旭川サテライトクリニックとグループホーム、3つの有料老人ホームをもつ。98年に秋田県初のホスピス病棟をひらき、末期がん患者の痛みの緩和、心のケア、家族支援に当たってきた。ホスピス長の嘉藤茂医師は、ホスピス開設10周年で、「(05年、緩和ケア)病床が13から34に増え、地域連携に取り組むという大きな変化が内側で起こった。外側では緩和ケアの研修会が各地で繰り返し開催され、がん診療拠点病院が緩和ケアの実践においても中心的な役割を担うよう制度設計された」と記す。  

 外来専門の外旭川サテライトクリニックには内科、精神科、整形外科、小児科、歯科などの各診療科のほか、地域へ出て行く医療・介護の拠点として在宅療養支援診療所であり、居宅介護支援、訪問看護、訪問介護、訪問歯科診療、訪問リハビリテーションなどを置いた。訪問看護ステーションのデイサービスといえる療養通所介護事業所を当初設置したが、利用者が少なく廃止。また訪問栄養指導も周知が行き届かずニーズがまだ少ない状況だという。

 

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  • 効果を上げる多職種によるグループワーク

 「秋田市内はショートステイがたいへん多く、約60事業所1700ベッドあります。最近までは500床程度だったのですが、ここ1、2年で1000床ほど増え、要介護4・5の人のロングステイになっています」と、外旭川病院の地域医療連携室主任の医療ソーシャルワーカー(MSW)、伊東威さんは、秋田市内のショートステイが地域ニーズを受け止めている面があるのでは、と話す。また、有料老人ホームのひとつ「グリーン」は、老健(83床)を廃止後に設立されたもので、医師や看護師不足への対応という側面もあったという。県郡部では、医師や看護師の不足による診療所の閉鎖が相次いでいる。

 そうした中で、外旭川病院は入院から在宅までの広範な取組が評価されて、地域の総合病院や診療所から患者の紹介を受けることが多い。 

 

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  • 事務局を務める地域医療連携室の伊東主任

地域の病院や居宅集まり在宅ホスピス支援

 08年9月、自宅でも緩和ケアが受けられるように、秋田市北部の約20の医療や介護の事業所が集まり、「秋田市北部地域緩和ケアネットワーク」が立ち上げられた。参加は病院(2)、診療所(3)、訪問看護ステーション(2)、薬局(3)、居宅介護支援事業所(5)。()内は09年10月時点の参加数。

 これまでこのネットワークを通じてケアが行われた患者数は、今年9月までの3年間で57人。ホスピスへ外来・入院依頼が多く、病院から19件、診療所から14件、居宅介護支援事業所から6件、薬局から5件、訪問看護ステーションからは1件。ホスピスから訪問看護ステーションへ依頼は9件、診療所へ訪問診療依頼1件、薬局へ服薬指導の依頼1件、福祉用具事業所へレンタル依頼1件という内訳。

 「自宅でホスピスを受けたいという人があり、外旭川病院でもホスピスを往診で行ってきたが、病院での対応には限界があるので、地域の病院診療所や薬局、介護事業所といっしょに対応しようと、当病院の呼びかけで始まった」と伊東さん。痛みをコントロールしながら安心して在宅生活を続けられるようにするために、医師、看護師、ケアマネジャー、薬剤師、福祉用具事業者など多職種のチームケアで対応は図られている。主治医の休暇や出張時にネットワークが対応した場合もある。

 毎月会員が集まって事例検討などの勉強会を行っている。疼痛緩和、在宅療養手帳、ホスピスのMSWの関わり、ケアマネジャーの役割、薬剤師の役割などをテーマにしてきた。最近はグループワークを取り組み、「より顔の見える関係ができた」、「このミーティングに参加して気づきが多かった」などメリットは大きいという。

 事務局を務める同病院の地域連携室は、伊東さんら社会福祉士、精神保健福祉士4人の体制。退院カンファレンスでは、病院という多職種の専門職による治療やケアが提供される環境から、それぞれの在宅という全く異なる環境に変わる時の対応にも、4人のメンバーが関わっている。

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