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社会・時事・他【インタビュー】熱中症予防の基本は脱水予防2014年7月 2日08時10分

0610akiyama.JPG ここ数年、夏が近づくと連日のように、熱中症で倒れ緊急搬送されるニュースが報道され、その中には高齢者が屋内で熱中症を起こすケースも多い。白十字訪問看護ステーション統括所長で「かくれ脱水」委員会の委員も務める秋山正子氏は、熱中症予防の基本は脱水予防と指摘する。同氏に脱水リスクが高い高齢者の予防対策について聞いた。

脱水からはじまる熱中症

 熱中症と脱水は大きく関係しています。汗は体温を下げる役割がありますが、体の体液を失い続けると、発汗が止まり、体温は上昇し続け、やがて熱中症を引き起こすのです。重度の熱中症になると、脳がダメージを受け重篤な障害が残ったり、最悪の場合、死に至るケースもあります。熱中症予防の基本は脱水予防といえるでしょう。

 なかでも高齢者は、一般成人と比較して脱水症状を起こすリスクが高くなります。その要因の一つが、水分保有量の違いです。人間が体内に蓄えておける水分量は加齢とともに減っていきます。一般成人の水分保有量が60%ほどなのに対し、高齢者は50%程度。もともと体内にストックしている水分に余裕がないため、わずかな水分を失っただけでも、危険な状態に陥りやすいのです。

リスクある生活習慣

 また▽エアコンがあっても使わない▽1階に居室がある場合、防犯のため窓を閉め切ったままにしている▽トイレに行く回数を抑えるため水分摂取を控える――といった習慣も高齢者には多く、リスクをさらに高めます。ケアマネジャーやヘルパーが訪問した際は窓を開け、室内にこもった熱気を逃がしてあげましょう。

 食欲が低下している人も危険です。成人の1日の水分摂取量はおよそ2,000ml。そのうち半分の1,000mlはご飯やおかずなどといった食べ物から摂っています。したがって、普段通りに水を飲んでいる様子でも、食事量が減っている人には注意が必要です。

脱水予防の基本

 脱水の予防には①普段からこまめに水分を摂る②特に入浴、就寝、飲酒の前後や運動時には必ず水分を摂る③食事をしっかりとる――の3点が基本です。ただ認知症の高齢者などの場合、ペットボトルだけ置いて「飲んでおいてね」と呼びかけても、忘れてそのまま放置されてしまうこともあるでしょう。そのような時には「一緒に飲みましょう」と、目の前で飲んでもらえば安心です。

もし熱中症になってしまったら

 万が一、脱水症状が進行し、熱中症になってしまった場合の対応を覚えておきましょう。軽度な熱中症の症状は、▽大量の発汗▽めまい、立ちくらみ▽筋肉痛やこむら返り――などです。これらの症状が現われたら、まず風通しのよい涼しい場所へ移し、衣類を緩めましょう。濡れタオルや保冷剤などで体を冷やすのも有効です。

 そして重要なのが、水分と塩分の速やかな補給です。脱水では体液中の水分と塩分の両方が失われます。したがって、熱中症を起こしたときは、塩分が含まれていない水やお茶ではなく、「経口補水液」を使います。経口補水液はドラッグストアなどで市販されており手軽に入手できます。また自作も可能で500の水に対して、砂糖20gと塩1・5gを加えてよく振れば完成です。

意識ないままに飲ませると危険

 ただ症状がさらに進行し、意識を失ってしまっている人に飲ませるのは危険ですので、すぐに救急車を呼びましょう。また市販の経口補水液にはゼリータイプの製品もあります。これは飲み込む力が低下し、誤嚥のおそれがある人に有効です。

 これから迎える梅雨明けの時期は、気温だけでなく湿度も高い、実は真夏以上に熱中症を起こしやすい時期です。ケアマネジャーやヘルパーは、温度や湿度計で室内の状態を確認する習慣をつけましょう。前日と比べて、気温が急上昇している日は特に注意が必要です。

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