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社会・時事・他ジャパンケア 定期巡回サービス43事業所で展開 2013年5月16日08時00分

 全国の「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」(以下、定期巡回)の事業所数は今年1月末現在で161事業所。その時点におけるジャパンケアサービス(東京都豊島区、馬袋秀男社長)の拠点数は27で、全事業所数に占める割合は約17%だった。その後も同社は拠点を拡大、4月1日現在で43事業所を数える。急拡大を続ける同社の定期巡回事業の狙いを24時間包括ケア開発本部の奈蔵正博営業部長に伺った。

事例発表で潜在ニーズを掘り起こし

――急速に事業所を増やしているのは、先に陣地を抑えようという考えからか。

奈蔵 定期巡回を真に必要とする方がおり、そのニーズを満たすためだ。

 訪問介護サービスは提供時間にしばりがある。身体30分の場合、最低20分は介護しなければならないが、トイレ誘導のみが必要な人なら5分ですむ。残り15分間サービスを提供することが、利用者の自立の妨げになっているかもしれない。また2時間ルールにより、1時間に1回のサービスが必要な時間帯であってもサービスが提供できない。

 定期巡回は時間にも回数にも制限が全くなく、真に必要な時間、回数のサービスが提供でき、随時対応で突然のニーズにも応えられる。そうしたサービスを求める人はあまり顕在化していないだけで、確実に存在する。

――定期巡回に関心が低い自治体はそのニーズが掘り起こせていないことになる。

奈蔵 介護保険ではどのサービスが必要なのかの判断はケアマネジャーに負うところが大きい。ただ、ケアマネジャーは24時間利用者につきっきりでアセスメントやモニタリングをするわけではない。ニーズの掘り起こしの責任は自治体やケアマネジャーのみにあるのではなく、介護分野全体で考えるテーマだろう。

 当社ではその手法として事例発表が効果的と判断している。定期巡回の好例を介護度や病状、家族関係、居住環境など具体的なバックボーンと共に示すことで、どのような人に求められるサービスかが理解されていくと思っている。

高いスキル求められるオペレーター

――訪問看護との連携や定額報酬のため採算が合わないという指摘をどう見る。

奈蔵 当社の43事業所中42事業所が連携型。連携する訪問看護ステーションの確保は確かに容易ではない。連携により訪問看護の方も看護師にしかできない業務に専念でき、事業所全体の訪問回数が増えるというメリットを説いている。1月時点の利用者の平均要介護度は2.9(図)で看護師の訪問頻度は利用者1人あたり1週間に1回程度。随時訪問はゼロに近い。

 採算の問題はエリアマーケティングや人件費、訪問頻度、移動時間などさまざま要因が絡むが、最終的に利益が出ないような事業なら当社が手がけることはない。巡回の頻度や随時対応が際限なく増えるという心配があるが、当社全体の平均では利用者1人あたりの定期巡回は1日約2.4回。利用者と十分に話し合って契約すれば納得してもらえる。随時対応が多いケースは、そもそも計画段階で定期巡回の頻度が少なかったとも考えられる。

 随時対応に関してはオペレーターのスキルが重要な鍵となる。利用者の基本情報を踏まえ、利用者が何を求めているのかを引き出すコミュニケーション能力はもちろん、話を聞くだけで良いのか、訪問が必要なら救急車、医師、ヘルパー、家族など誰が行くべきかトリアージしなければならない。事業所の質と経営両面がオペレーターの能力に左右される。

――このサービスは今後普及していくのか。

奈蔵 認知度を高めなければならない。まずケアマネジャーや利用者に定期巡回とはどういうサービスなのか理解を深めてもらうことが当面の課題だ。

 このサービスは訪問介護に比べ、提供時間は短くても頻回に訪問することで利用者の状態をより深く観察でき、会話も増える。会話が弾むようになり食欲が増した利用者もいる。また退院直後の不安定な状態な人にとって、必要に応じていつでも介護が受けられる仕組みは重宝だと思う。独居世帯が増える中、現在、家族介護を前提とした従来型のサービスから、新たなサービス(定期巡回)への転換期と思われる。

 こうしたサービスの本質が広く知れ渡るようになれば徐々に事業所数は増えていくと確信している。

  • ジャパンケ奈蔵部長.JPG
  • 奈蔵正博氏


  • 1月度の利用者の要介護度.jpg
  • 図 1月度の利用者の要介護度

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