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社会・時事・他メッセージ転落死・虐待 3カ月報酬請求停止2015年12月16日08時05分

指導体制見直しも検討

 川崎市の介護付き有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で入居者の転落死や虐待が相次いで発生した問題で、川崎市は11月13日に同施設を運営する積和サポートシステムの岩本隆博社長に、介護指定全部停止3カ月の処分方針を通知した。同日付けで東京都も業務管理体制の整備を問題とし、同社に勧告。さらに厚生労働省から、親会社のメッセージに対し危機管理体制不十分等を理由とした改善勧告が出された。

1209messe.JPG 川崎市高齢者事業推進課の関川真一課長は、同日開かれた川崎市議会健康福祉委員会で、処分内容について「重大な事案なので厳正な処分を前提にした。その上で入居者を第一に考えた結果」と説明。本決定となれば同施設は利用者負担も含めた一切の介護報酬請求が3カ月間できなくなるが、それに加え▽従来通りのサービスを提供すること▽入居者・家族に処分結果を説明し理解を得ること▽改善計画に取り組むこと――などを求める。同処分による施設の損失については5,000万円前後という見解を示した。「指定停止期間については運営規模と照らして3カ月とした」(関川課長)。処分は12月11日に行われる聴聞会を経て、12月中旬に本決定される。

 川崎市は来年2月に有料老人ホーム設置運営指導指針の一部改正を予定する。今回のケースを踏まえ高齢者虐待に関しては、研修の実施や苦情処理体制の整備といった内容を盛り込んだ。12月18日までパブリックコメントを募集している。また市の指導体制自体の整備・見直しも進めているとした。

東京都・厚労省からも勧告

 川崎市の事案を受け東京都は同社に対し、過去5年以内の都内運営施設での事故を再確認し、報告するよう指示。40施設714件の事故が報告されたが、うち既に都へ報告のあった34件との重複分20件を除く680件が、未報告だった。都への報告は「東京都有料老人ホーム設置運営指導指針」における「死亡等重大な事故が発生した場合」等の要件に基づくもので、施設所在区市町村への事故報告と異なり法律に基づく義務ではない。しかし区市町村への報告義務の履行状況を確認した結果、少なくとも439件が未報告であったことを把握したという。

 これらの点を問題視し、東京都も11月13日に本社と事業所、親会社の連携強化などを求める勧告を同社に出した。川崎市同様、都も今後「重大な事故」の要件を明確化するなど、指針の改正を検討している。

 厚生労働省からは、親会社メッセージ(岡山市、佐藤俊雄社長)に対し9月の特別検査の結果として、改善勧告が出された。グループ全体での業務管理体制の見直しを求める内容。また再発防止のため、全国の都道府県知事・指定都市市長・中核市市長に対し、虐待等に対する指導の徹底を13日付けで通知した。

メッセージ橋本会長「安全性が伴っていなかった」

 各自治体の処分についてメッセージグループは「真摯に受け止める」としている。再発防止のため設けられた弁護士や大学教授による第三者委員会の報告は、12月初旬にもまとまる予定。それを踏まえて、改革に着手すると説明した。

 11月18日に開かれた決算説明会では、一連の報道後はじめて橋本俊明会長が公の場に姿を見せた。橋本会長は個人的な見解としたうえで、最大の要因を「本社の管理が甘かった。行政に報告する範囲を狭く考えていた」と話した。同グループは、東京都以外の行政にも未報告の事故等があるかという点についても確認している。

 メッセージグループの特徴でもある自由な生活という点に関しては「安全性が伴っていなかった」と陳謝。今後はグループ全体で抜本的な見直しが求められるとした。教育体制については、介護技術向上だけでなく、コミュニケーション能力育成などを行っていく方針を示した。

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