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社会・時事・他新生メディカル 定期巡回サービス 20分未満の身体介護中心2013年5月16日08時00分

 岐阜県で介護事業を展開する新生メディカル(岐阜市、石原美智子社長)は、制度導入以前から、国や県のモデル事業で短時間の巡回サービスにいち早く取り組んできた。同社が提唱する「ケアミニマム」の考え方に沿った短時間サービスは「岐阜県方式」と呼ばれている。

 現在、同社では訪問介護の「身体介護0」(20分未満の身体介護)を中心に、1日複数回の短時間訪問サービスを提供。定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業も今年1月より開始したが、利用者は5人に止まっており、軸足は「身体介護0」に置かれている。その理由について、同社の今村あおい取締役部長は、定期巡回サービスの制度そのものが、地方都市での地域提供に向かないためと強調する。

「包括報酬」「随時対応」がネック

 同社が、特にネックと考えているのが包括報酬と随時対応の部分。「利用料を払っている立場からすれば、サービスの利用は当然の権利。包括報酬では1回でも多く来てもらいたい利用者と採算をとりたい事業者の間で『綱引き』が発生する」と今村部長。

 「訪問の必要性はオペレーターが判断するが、万が一のリスクを考えると、必要性が確認できなくても、訪問の指示をだしてしまうのではないか」との見方を示し、大事に至る可能性が高い重度者ではなおさらだという。

 「高齢者住宅入居者に対して併設事業所が訪問するケースなどは例外として、事業者にとって随時対応サービスの負担は大きい。特に地方での地域展開には不向きといわざるをえない」

 新生メディカルが在宅生活を支えるために不可欠と捉えるのは「定期巡回」の部分。「必要なケアだけを短時間で提供することで、自立を妨げず、毎日同じケアを繰り返すことで生活リズムも安定する」(今村部長)

 また同社では利用者の尊厳ある生活を守るため、「ケアミニマム」という基準を導入している。ケアミニマムとは「1日3食の確保ができている」「週2回以上の入浴をしている」など、具体的な生活行為を項目化したもの。利用者の生活状況と照らすことで対応が必要なポイントが浮かび上がってくる。そのポイントに対して「身体介護0」の短時間ケアが入る仕組みだ。

 同社の「身体介護0」の利用者は78人(13年3月時点)。そのうち、要介護5が27人と最も多く、要介護4も23人が利用しており、在宅で暮らす重度者の受け皿になっているといえる。

定期巡回の対象は「軽度・認知症・独居」高齢者とがん末期療養者

 課題を認識しながらも、定期巡回サービスに参入したのは「事業としても成りたたせながら、包括報酬や随時対応の仕組みが活きる利用者を探るため」。①要介護1・2の軽度で認知症を抱えた独居高齢者②がん末期の在宅療養者――は利用対象となりうるという。 

 ①要介護1・2の軽度で認知症を抱えた独居高齢者には「混乱したまま放っておくと、周辺行動などにつながるが、短時間でもケアが適宜はいることで、混乱を止めることができる」とメリットを挙げる。それでも状態が悪化した場合などは、随時サービスで柔軟に対応する。通常、軽度者の訪問回数は1日に1、2回なので、随時サービスを多少手厚くしても、採算割れにはなりにくい。

 ②がん末期の利用者は、デイサービスの利用が難しく、利用時の定期巡回サービスの報酬減算がないため、1日4、5回、目一杯訪問しても収支が合うのだという。利用が増える訪問看護の部分も、がん末期利用者は医療保険に切り替わる。

 同社では、身体介護0とのすみ分けを行い、定期巡回サービスでは、これらの利用者に特化していく方針だという。

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  • 今村あおい氏

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