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社会・時事・他本紙5月号より加島守氏の新連載開始2013年4月15日08時00分

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高齢者生活福祉研究所所長 加島 守

プロフィール

 1980年、医療ソーシャルワーカーとして勤務後、理学療法士資格取得。越谷市立病院、武蔵野市立高齢者総合センター補助器具センター勤務を経て04年10月に高齢者生活福祉研究所設立、所長

 

 厚生労働省が今年1月に取りまとめた「介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に関する検討会」の中間報告では、研修カリキュラムの見直しが盛り込まれている。これまで専門研修の選択科目だった「福祉用具」は「介護支援専門員が身につけておくべき重要な知識」と位置づけられ、「認知症」「リハビリテーション」「看護」とともに、必修化も視野にいれ研修内容の充実を図る方向性が示された。本紙では、今後ますます福祉用具の知識を求められるケアマネジャーや介護従事者などを対象とした新連載を次号よりスタートする。執筆は理学療法士で高齢者生活福祉研究所所長の加島守氏。連載テーマの「生活場面において福祉用具で解決できること」について解説いただいた。

 介護保険サービスの目的は自立支援と介護負担の軽減です。福祉用具サービスも例外ではなく、ケアマネジャーは「福祉用具を利用することで、利用者がどのように自立した生活を送ることができるのか、どのような負担が軽減されるのか」をイメージできることが求められます。

 例えば特殊寝台(介護ベッド)では起き上がりや立ち上がり動作など起居移乗動作の自立や介護負担軽減のほか、清拭やおむつ交換などベッド上での介助の負担も抑えることができます。このような福祉用具それぞれの利用効果こそが、ケアマネジャーに求められている福祉用具の知識であり、本連載で最もお伝えしたいポイントです。

動作が変わると生活が変わる

 福祉用具は基本的に動作を支援する道具です。日常生活で負担になっていた動作を解決すると、利用者の生活を変化させることができます。私が担当した事例で「1回の入浴に3時間かかってしまう。負担が大きく月に2回程度しか入れない」といったケースがありました。

 福祉用具や住宅改修を利用すると、入浴時間は60分~90分程度にまで短縮できた結果、負担感が緩和され週3回入浴できる生活習慣に変わりました。福祉用具の活用で、1人で安全に入浴できるばかりでなく、入浴を楽しみリラックスできる機会を増やすことにつながったのです。

 また玄関や居室の出入りの動作が楽になると、同時に精神的な負担も軽減され、外出意欲を高める効果も期待できます。馴染みだった店にまた通うようになるなど、生活の変化とともに外出目的も前向きに変わるかもしれません。外出目的が変わると、外出支援方法の再検討も必要でしょう。

 ただ人工透析の通院など必ず外出しなければならない場合は、残存機能の活用よりも、利用者や家族の状況を踏まえて、できる限り負担が少なく安全に行える方法を優先するケースもあります。疾病による体調の良し悪しで、家の出入りが楽だったり、大変だったりと毎回、負担感が異なってはなりません。

 生活におけるニーズは状況に応じて優先順位を判断します。

福祉用具専門相談員との連携

 また昨年4月より福祉用具事業者にも「福祉用具サービス計画書」の作成が義務づけられました。経過措置を終え、今年度よりいよいよ本格実施されます。計画書のなかで注目してもらいたい項目が「福祉用具の利用目標」と「福祉用具が必要な理由」です。

 福祉用具専門相談員の視点から、どの動作を支援して自立できるのか、または介護負担を軽減するのかを記した項目が「福祉用具の利用目標」です。さらに目標を達成することで、どのような生活を送ることができるのかを記載したのが「福祉用具が必要な理由」です。

 介護は多職種協働で行うものです。福祉用具についても今後、計画書などを通じて福祉用具専門相談員と目標や予後のビジョンを共有することが重要でしょう。

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