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施設・住まい避難所における高齢者の現状と解決案―福祉用具供給の重要性―2011年5月19日14時42分

 宮城県介護研修センター

 主任主査・作業療法士 大場薫氏1005_mygkk_ob.JPG

 

 避難所には多くの高齢者が暮らしており、いろいろな問題が発生している。

 まず介護保険制度が十分に機能していない。ベッドが必要と判断されても自治体が機能していないためケアプランを立て、契約し、ベッドを搬入するという契約が成り立たないのだ。避難所は5日、1週間単位でどんどん統廃合され、利用者が移動していく。利用者が転々としていては貸与事業者も利用者個人と契約ができなくなる。

 避難所で暮らす高齢者の中には、電動ベッドさえあれば自力で起き上がれる人でも、床の上で寝かされ運動機能が急激に低下、廃用症候群を起こし全介助の状態になったりしている。私が評価した高齢女性は両膝が人工関節で膝が十分に曲がらない。ベッドと洋式トイレがれがあれば介護保険なしでも自宅で生活できるのに避難所の和式トイレが使えない。尿は立ったまま、排便は両脇をかかえてもらって行っていた。

 元々高齢者は膝や腰の機能が十分でない人が多く、環境要因の悪化でADLが低下し、それが意欲や筋力をさらに低下させるという悪循環を生んでいる。こうした高齢者に対応するにはまずニーズアセスメントが必要な人を探しあてなければならない。しかし避難所で暮らす人が膨大な数でありその作業は極めて困難だ

 幸い全国からOTやPTの専門職能を持つボランティアが派遣されてきた。しかしニーズが必要な人がどこにいるか分からないのではその能力を十分に発揮できない。

 今被災地で必要とされているのは「福祉用具支援対策本部」のような拠点を設置し、そこを中心に各職能団体や福祉用具供給協会、行政が連携を取ることだろう。そして例えば避難所では責任者を決め、簡単なアセスメント表やチェックシートを使い高齢者の簡単な情報を提供してもらう。その情報をもとに対策本部から人材を派遣し、どの専門職がケアにあたり、どういう福祉用具が必要なのかを分析するというのも一つの手段だろう。

 (2011年5月10日号)

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