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施設・住まい老施協大会講演 施設、在宅互いの長所を伸ばす制度運営を2012年12月19日19時13分

国の政策に踊らされてはならない

 初日の講演は同協議会理事で元・毎日新聞常務取締役の河内孝氏が行った。

 同氏はまず、福祉業界の人々が報酬単位などミクロにはこだわるものの、介護保険制度全体を分析するといったマクロな視点が弱いと私見を披露。「特養の管理職は加算などの細かい給付単位は熟知しているのに、自らが支払う介護保険料という大きなテーマを知らない人も少なくない」と苦言を呈した。

 そのうえで「国の政策にはトリックがある。現場は政策の『土俵』から疑わなければならない」と警鐘を鳴らした。

 介護保険料を払う人は2号保険者を含めると7100万人。それに対し支払われる人は403万人で6%弱にすぎない数字を示し「生命保険の死亡保障を受け取る数は全被保険者の約17%と聞く。多くの国民を対象とする保険でありながら、大半の被保険者は掛け金を知らず、しかも掛け捨て。保険料を徴収するサイドにとってこれほどおいしい話はない。介護保険はある意味、国民の無知と無関心の上で成り立っている」と発言、来場者に大きなインパクトを与えた。

性急過ぎる在宅シフト

 さらに25年介護保険危機説も「国が出した事実に基づく誤った推論」と見ている述べ、保険料アップのための説ではないか、と疑わなければならないと語った。

 25年には、65歳以上の高齢者人口を15歳~64歳の生産年齢人口で割った老年人口指数が約50%と推定されているが「統計上の数字ではそうなるが、1960年と比べ、今日、男女とも平均寿命が15歳前後伸びていることが考慮されていない。高齢者を65歳、生産年齢を15歳~64歳という定義のままで25年における制度の状況を推計してよいのか。人口変動を統計学的に研究する人口学では平均寿命を考慮し、60年の60歳は10年では74歳にあたるのが通説」と述べ、高齢者の雇用、女性の社会進出など社会環境の変化によりGDPが大きく変動する可能性があり、保険料もそれに左右されるだろうと語った。

 最後に同氏は「介護は施設、在宅互いの長所を認め合い、共に充実させていくべきだ」と持論を展開。同時に貧困層の拡大や単身、老老世帯の増加などにより在宅生活そのものの維持ができない人が増えると予測し「国が進める在宅シフトは性急すぎる。施設介護の効率性の高さも重視すべき」と締めくくった。

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  • 施設経営者にマクロ的視点を求める河内孝氏

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