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施設・住まい老健大会シンポジウム 連携でつくり出す自立支援型ケア2012年12月14日09時56分

 4日に行われたシンポジウムでは「必要とされるリハビリテーション」をテーマに、老健におけるリハビリの役割や課題、地域との連携について意見が交わされた。座長は老健施設「伸寿苑」施設長・浜村明徳氏、シンポジストは日本理学療法士協会介護保険部長・前園徹氏、日本作業療法士協会会長・中村春基氏、日本言語聴覚士協会会長・深浦順一氏、老健施設「せんだんの丘」施設長・土井勝幸氏。

 前半は老健におけるリハ職の役割について各シンポジストが講演。前園氏は老健に必要な理学療法スキルを①国際生活機能分類(ICF)視点での評価、目標設定、活動②合併症や医療依存度が高い利用者への対応③組織マネジメント――に分類し、③については「リハ視点でのケアプラン作成を積極的に支援しチームパフォーマンス向上につなげることが大切」と話した。 また、PTの73%が医療保険領域で働いている現状について「急性期・回復期の在院日数が短縮化するにつれ、今後は介護保険領域でもリハの提供機会が広がる」と強調。「全てのADL場面で介護・看護・家族と連携した自立支援型のケアが求められる」と課題を述べた。

 続く中村氏は作業療法士の役割を「できないことを分析し、したいことを示し、できるように支援すること」と説明。「作業療法が専らアプローチしてきたのは脳卒中等で障がいをもつ高齢者。加齢で自立機能が衰えてくる高齢者の介護予防にも注力していかなくてはならない」と話した。

 同協会は08年に自立支援ツールとして「生活行為向上マネジメント」を開発。職務経験や領域に関わらず生活行為や余暇活動のプログラムを利用者が主体的に実施できるのが特長となっている。「個々の生活に向き合い、意味のある作業へ挑戦し続けることが作業療法のあり方」と同氏は語った。

 深浦氏は老健を「治療と生活の混在の場」と捉え「高齢者のコミュニケーション障がいは失語症、認知機能低下、構音障がいが主な要因。社会参加意欲の低下や精神的不安定のリスクが高い」と説明。「言語聴覚士はリハビリだけでなくコミュニケーション機会を増やす社会的役割も担う」と述べた。

 土井氏は施設運営の立場から、在宅復帰支援の取り組み事例を紹介。地域における老健の役割を「連続性を持った支援を行う施設。特に自立支援型リハの実現にはリハ職が地域に出ていくことが大事」と主張した。

 「せんだんの丘」は09年から在宅復帰プロジェクトに着手し、今年8月に在宅復帰強化型施設へ移行。在宅復帰のポイントを「入所時の状態評価と目標を適切に設定すること」と同氏。「ICFの概念と予後予測の見立てを行い、抽出されたニーズが施設の介護力で実践できるかを判断することも大切」と説明する。

 また訪問指導とカンファレンスを頻回に行うことで職種間のバリアフリーも促進されるという。「退所後もケアを在宅で再現するという意識を共有し、地域に出かけていくことが地域包括ケアを構築する」と同氏は語った。

 シンポジウムの後半ではリハ職の連携課題について議論。施設内連携の課題として「基本知識・技術を共有しベーススキルを高めること。人材不足の解消にもつながる」(前園氏)、「認知症の単独症状だと技術共有は比較的容易だが、施設利用者は認知症と摂食嚥下、失語症と摂食嚥下障がいなど重複症状が多い。専門性とチームアプローチのバランスを見極めること」(深浦氏)、「職種間連携だけでなく、利用者と共同して解決する意識も大切。その成果を周囲に見せてリハの可能性を示す」(中村氏)などの意見が集まった。

 また施設外の地域連携については「訪問リハは必要不可欠のケアだ。急性期・回復期リハの経験者が在宅に入ることで医療的なアプローチも期待できる」(前園氏)、「今後普及していく地域ケア会議に老健施設の職員も必ず関わるべき」(土井氏)と考えを示した。

 最後に総括として浜村氏は①急性期・回復期・生活期に横断する医療機関どうしの連携②医療機関と在宅サービス事業者の連携③地域包括ケアのサービス提供者間の連携――と3つの連携を唱え、「老健がこれらを実現していくことで真の中核施設となりうる」と締めくくった。

  • 浜村明徳氏.JPG












  •  老健施設伸寿苑
    浜村明徳氏
  • 土井勝幸氏.JPG












  •  老健施設せんだんの丘
    土井勝幸氏

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