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施設・住まい歯科診療でオンライン 希望に沿った義歯づくり2020年3月19日07時10分

歯科技工士とテレビ通話

聖翔会リー・デンタルクリニック×NALUデンタルラボ

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 大阪府で高齢者の歯科診療を中心に提供する医療法人聖翔会リー・デンタルクリニックでは、歯科診療時にテレビ通話を用いて歯科技工士とオンラインで連携する取り組みを開始した。

 通常、義歯の制作は、歯科医師が口腔内の型取りを行い、歯科技工指示書のもと歯科技工所が模型を作成。その後、かみ合わせ等を調整しながら完成させる。

 しかし、同クリニック歯科医師の丸谷善彦氏は「歯科技工指示書だけでは見えないことがある」と指摘。「技工士にも利用者の表情や雰囲気を見てもらい、より希望に叶う義歯を作りたいと思い始めた」と取組みのきっかけを話す。

「かわいくしてね」患者の思いを叶える

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 初めてオンライン連携を実践したこの日は、特養「宙(すばる)豊中」(大阪府豊中市)に入所するAさんを訪問。連携先のNALUデンタルラボ代表で歯科技工士の藤澤成実さんと、タブレット端末を活用してテレビ電話を接続する。藤澤さんとAさんは初対面。自己紹介をして朗らかな雰囲気で診療はスタートした。

 まずは、ロウでできた咬合床をAさんの口腔内に入れて、咬み合わせや歯茎の高さ、リップラインを確認する「咬合採得」を実施。

 その場で、熱したナイフでロウを溶かして歯の位置など印をつけていく。

 丸谷氏は「リップラインより歯茎が0.5mm下がったほうが女性らしく、1mm出すと男性らしくなる。咬み合わせが表情に大きく影響するためとても重要だ」と強調する。

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 Aさんにも「かわいい歯と綺麗な歯どちらがいい?」と確認しながら調整を進める。

 藤澤さんは、Aさんがつぶやいた「丸くてかわいい歯がいいな」と言う思いを、聞き逃さずメモをする。

 「文字で『かわいい歯』と書いてあっても、丸い歯なのか小さい歯なのか、本人の希望を正確に把握するのが難しい。オンラインで患者さんの思いを聞けたのは良かった」(藤澤さん)

 このほか、丸谷氏から「クラスプ(残っている歯に引っ掛けるバネ)がきついため少し緩めてほしい」などの依頼が藤澤さんに伝えられた。

映像から装着時の表情や動きを的確に把握

 藤澤さんは「紙に比べると、装着時の表情や動きなど映像から得られる情報量は格段に多い。今回だと、咬合平面がよくわかり、咬合器での制作時に誤差を少なくできる。オンラインをはじめとする新しい技術に様々取り組み、より希望に沿った義歯を作りたい」と意気込む。

 高齢化が進み、介護施設や在宅では▽疾病により口が開けられない▽歯茎の粘膜が肥大してブヨブヨになる「フラビーガム」▽認知症状があり口腔状態の確認が難しい――など様々な口腔の問題がある。

 丸谷氏は「今後、患者さんの状態に合わせた義歯づくりを行うためにも、歯科技工士が患者さんの表情や思いを聞き取れるオンライン連携は欠かせないと思っている。歯科技工士と連携しながら、より患者さんに適した義歯づくりに励みたい」と今後の展開に期待を寄せる。

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