ケアマネジャーはじめ介護・医療に携わる皆さまへ様々な最新
情報を深く分かりやすくお伝えする「シルバー産業新聞」です。

Care-new.jp

大中小 テキストサイズ変更RSS

シルバー産業新聞

施設・住まい日常生活行為の動作を補うリハビリを ~ 慢性期リハ協会・橋本康子会長2019年9月 9日10時19分

1908_hasimoto.jpg

 2018年度介護報酬改定では、訪問・通所介護とリハビリテーション専門職の連携に加算が新設されるなど、介護保険サービスの随所にリハビリテーションの取組みを評価する流れが明確になった。そうした中、日本慢性期医療協会(武久洋三会長)が、13年に設立した「慢性期リハビリテーション協会」(橋本康子会長)では、慢性的な医療ニーズをかかえる高齢者などに欠かせない、生涯にわたるリハビリテーションの普及と評価を目指して活動している。自立支援・重度化防止での慢性期リハビリの役割について橋本会長に聞いた。

 

 ――慢性期リハビリとは何でしょうか。

 我々の定義では「急性期を除くすべてのリハビリ」としています。回復期や維持・生活期、終末期などを含む、全人的で、一生涯にわたる、広い範囲のリハビリテーションということができます。

 日本でリハビリテーションというと「運動やトレーニング」と同一視される傾向がありますが、それはリハビリテーションの一部であって、本来はもっと広い範囲を意味します。特に2000年の回復期リハ病棟の概念ができて以降の変化は目覚ましく、ADLを意識したリハビリが広がりました。

 極論すれば最期を迎える終末期患者であっても、息を引き取るその時まで、筋緊張による関節拘縮をほぐすマッサージをベッド上で実施するなど、その人らしさやQOL維持向上のために、取り組むべきリハビリテーションがあるということです。

 ――高齢者の自立支援・重度化防止でも有効でしょうか。

 有効です。もともと元気に活躍されていた人であって、加齢や疾病などにより日常生活に助けが必要になった高齢者で言えば、反復して特定の動作をリハビリすることは、ADLを再獲得する上で効果的です。

 たとえば脳卒中などで手術を受け、急性期や回復期リハビリを経ても、片麻痺で症状が固まった後でも「手すりや家具、柱、壁などを伝って生活動線の移動をするための動作」など、日常生活の場を想定したADL向上を目指します。患側の回復を目指したリハビリだけでなく、並行して健側でいかにカバーできるかも検討し、その動作を徹底して繰り返し訓練するのです。

 そのために我々の病院では、患者の在宅訪問をして、具体的にどのような動作ができればADLやQOL向上につながるかを検討します。

 ――介護保険でもリハビリ職との連携が評価され始めています。

 在宅復帰後のADL維持のためには、日常生活行為を繰り返し練習してもらうように、訪問介護や通所介護事業者の協力も欠かせないでしょう。

 患者本人のためであるのと同時に、介助する家族の負担軽減の意味でも重要です。老々介護や高齢者世帯の増加などが指摘される中で、在宅復帰を検討する時に、本人が希望されても、周囲の介護負担が大きすぎると不可能になることがあるからです。

 その中でも食べて、排泄するという生理現象に対して介助軽減ができるかは大事で、特に排泄の自立は、介助者の精神的・身体的負担軽減が期待できるため重要です。

 詳しく説明しますと、トイレでの排泄までには▽ベッドから離床▽移乗▽トイレへの移動▽下衣をおろして便器へ腰かけ▽排泄しておしり拭き▽便器から立ち上がり下衣をもどす▽手を洗う▽自室へ移動――などの複合的な動作が必要になるのですが、一部分でも不可能な動作があると「排泄が難しいのでオムツ使用」となっている場面もあるようです。

 ほかにも「トイレに近い部屋を自室とすること」「住宅改修や福祉用具レンタルで手すりを設置して安全な動線を確保すること」など住環境のレイアウト変更も検討します。

 リハビリ職との連携の中で、反復的な動作を繰り返すことを介護職が続けていただくことは、自立支援・重度化防止でも有効と言えるでしょう。

「施設・住まい」カテゴリーの最新記事

シルバー産業新聞購読のご案内

発展する「シニアマーケット」の動向など、確かな業界情報はシルバー産業新聞から。

1年間(12回)
7,700円(送料・税込)
2年間(24回)
14,214円(送料・税込)
3年間(36回)
19,545円(送料・税込)

購読、書籍のお申込みはコチラ

  • 【お知らせ】電子版「シルバー産業新聞」
  • シルバー産業新聞申し込み
  • ハンドブック申し込み
  • SSL グローバルサインのサイトシール