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施設・住まいOT協会調査 施設・在宅の福祉用具継続に効果2016年7月28日07時05分

 福祉用具活用により本人の能力を維持向上させ、生活や活動の自立、活動範囲の拡大などが期待されている。介護保険制度でも、福祉用具事業者により適切な用具選定がなされ、提供される福祉用具サービスが認められている。しかしながら病院・施設に入院・入所した場合、在宅サービスである福祉用具サービスの利用ができなくなる。病院施設の多くでは福祉用具も備品による対応となり、専門職による一貫した個別状況把握や、支援の目標設定の見直し等が受けられない弊害が発生する。こうした状況の改善のため、リハビリ職を中心に「在宅から病院・施設」「病院・施設」「退院・退所準備から在宅復帰」まで一貫させ、ケアマネジャーや福祉用具事業者などが連携するシームレスな用具活用によって、機能向上や活動範囲の拡大などおおむね効果が見られた。

 日本作業療法士協会はこのほど、2015年度厚生労働省老健事業助成調査「介護保険における福祉用具サービスをシームレスに提供するために必要な方策に関する調査研究事業報告書」(渡邉愼一委員長)をまとめた。

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 環境変化のある「退院・退所前」「退院・退所後」「退院・退所3カ月後」「退院・退所6カ月後」について、評価指標を(身体状況、生活動作、活動範囲、社会参加)記録した。リハビリ職が関与することができる協力施設6施設の協力でデータ収集を実施した。合計37事例が集まり、半数以上で機能向上が確認されたほか、機能向上が確認できなかった事例でも生活や活動の自立、活動範囲の拡大が把握されるなど、おおむね効果が見られる結果となった。入院・入所期間中の福祉用具の利用については、一般サービスとして福祉用具レンタルサービスを利用した。

 68歳女性・要介護3、脳梗塞による片麻痺、歩行障害、構音障害、高次脳機能障害の事例では、移動支援のために「車いす」「歩行器」「杖」「据え置き型手すり」を使用したほか、排泄支援のために「手すり」を使用、特殊寝台関連では「特殊寝台」を使用した。

 退院・退所時には排泄支援のための手すりが不要になったが、ほかの用具については継続して使用。入院・入所時に週6回利用していた歩行器が、退院・退所後は週20回利用となるなど歩行する能力とともに意欲の向上が見られた。一方で車いすの使用頻度は、入院・入所時に週10回利用していたものが、退院・退所後は週1~2回になるなど、歩行に関する能力の向上がみられた。

 渡邉愼一委員長は「この調査は、福祉用具の継続的な利用に関して、最適な条件が整った場合、どこまでの効果が得られるかを示す事例集になっている。現場での福祉用具を用いた支援を考える際の目標設定、あるいは国が福祉用具の施策を検討する際の資料などに活用してもらいたい」と同報告書が現場で活用されることに期待を寄せた。

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