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施設・住まい生き活きケア69 介護老人保健施設「じゅんぷう」2012年12月13日18時35分

 同施設は05年に開設。定員は3階から5階までの3フロア合計で98人。要介護度は3・2~3・6で推移、在宅復帰率は50%台後半と高い。

 入浴は各フロアで行われ、原則週2回だが、時間帯に関してはオープン当初から朝9時から午後6時の夕食前まで利用者が自由に選択できる。もちろん個浴、しかも入浴介助の職員は1人で担当。居室からの誘導、脱衣、洗身、清拭、着衣まで担当の職員が全て1人で連続して行い、最後には、湯上り後のお茶がサービスされる。

 入浴ケアに要する時間は1人平均約30分だという。湯上り後、利用者は好きな服を着てくつろぐ。「個浴では洗身とそれ以外の作業を2人で分担するほうが効率的でしょう。しかしそれ以上に1人の職員が行うほうがメリットが大きい。騒々しさがなく、利用者は精神的によりリラックスできます。そのため日常では言いにくい本音や希望が入浴時に聞かれ、個別ケアの推進にもつながります。認知症の利用者も1人で対応することで対人関係の混乱を防止できます」と林さんはその良さを強調する。オープン以来約7年間、入浴時における事故はわずか2件。1人の職員が担当することで責任感もより高まり、安全性も向上するようだ。

 同施設ではさらなる入浴介護の向上を追求していった。それが2年前から開始した入浴時間の延長。従来の終了時間に加え、食後の午後7時から8時半までも可能としたのだ。入浴委員の木村誠さんがこう語る。

 「開設当初から食後の入浴を検討していましたが、最大のネックは正午から21時まで勤務する遅出の職員の確保。遅出の職員は就寝介助に忙しく、入浴介助まで手が回りません。職員数は増やせないので、17時半まで勤務の日勤職員を1人遅出にできないか、シフトそのものの見直しを全職員で検討しました」。工夫の結果、夕食後に入浴できるシフトは組めたという。

 そこで最初は月に1回夕食後に入浴できる日を設定し、試験的に実施していった。希望者に対しては改めて医師の許可を得、看護師との十分な連携を確保。ところが当初は思ったほどの希望者がなかったという。「当初希望者が少なかったのは、利用者自身が施設では食事前の入浴が当然、と思い込んでいたためだと分析しています。事実その後少しずつ増えていきました」(木村さん)。

 食後に入浴した利用者の評判は上々。しかも「不眠を訴える利用者の多くが、良眠時間が長くなるなど睡眠が改善される結果が出ました」と木村さんはQOLの向上にも寄与したと語る。

 「ケアの質が向上するならば継続が重要」と林さんと木村さんは口を揃える。開始から2年が経過した今日、多いフロアでは月に3、4回、少ないフロアでも最低月に1回は食後入浴を実施している。

 「今ではこの取り組みに職員も満足しています。それは利用者に満足いただけたからです。在宅復帰は老健の最大の使命であり、在宅における利用者の日常生活に近いケアが求められます。夕食後の入浴実現はその意味でも意義深いと思います」。林さんはこう語り、さらなる個別ケアの充実に意欲を見せた。

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  • 介護老人保健施設「じゅんぷう」
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  • 湯上りの一杯で利用者の気持ちはさらに和む
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  • 心を込めた入浴介護を実践

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