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プリズム・社説 プリズム(2017年4月10日号)2017年4月12日07時00分

 特養入所の待機者が29万5,000人になったと、このほど厚労省が発表した。3年前の14年3月の発表では、52万4,000人だったので、22万人が減ったことになる。15年4月改正で、特養入居者が原則要介護3以上の重度者となったことから、その時点の要介護1~2の待機者17万8,000人が、待機者リストから外れたのがその大きな理由だ。入所申込者は、各都道府県で把握する状況を集計したもの。厚労省は、待機者のカウントにあたって、「重複申込み等の排除をより徹底し、入所申込者の実数により近づけた」と説明。3年前との対比で、待機者数は要介護3は12.6万人→11.5万人へ、要介護4は12.1万人→10.3万人へ、要介護5は9.7万人→7.6万人へ、1~2割減っている。都道府県によっては、重複があった宮城県は3.8万人から一気に6,000人台まで減少した。

 つまり、特養待機者が減ったのは、入所対象者が要介護3以上に限定されたことと、重複カウントを見直したことが主な要因と考えられる。在宅サービスの充実によって、中重度になっても、独居者であっても在宅で最期まで過ごせるようになったために、特養ニーズが減少したというわけではない。もっとも、国民年金受給者には特養の個室が高くて入れないとか、施設スタッフがそろわず新設の特養に入所者を呼べないために、特養の居室が利用されないままに置かれている状況は、地域によって発生している。

 厚労省は3月29日、要介護1、2の特例入所の扱いを見直す通知を出した。要介護1、2の申込者が自身の判断で、特例入所要件に該当すると判断して申し立てた場合には、施設は入所申込みを受け付けなければならないとした。この扱いによって、次回調査では待機者数では、必然的に回復することになるだろう。発表数字で「社会のコンセンサス」は変わってしまう。

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