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プリズム・社説 「プリズム」 (2018年7月10日号)2018年7月31日09時00分

無縁でないリスペクトと報酬

 W杯サッカーに沸いた日本。世界ランク下のチームが上を負かす爽快感だ。勝利に向けて、走って走って、足がつるまで走る選手の姿に、みなが拍手を送る。介護の世界でも、若い介護職からベテランまで、利用者の力を少しでも引き上げて、その人らしい生活の実現を図ろうと、毎日毎日、精一杯の努力をする姿に私たちの多くが敬意を感じている。

 本号で、厚労省の濵谷浩樹老健局長は、来年10月の消費税率10%への引上げ時に実施予定の介護職員処遇改善は、来年度予算になるので、概況は早くも今年末にも決まるだろうと話した。今秋には介護給付費分科会も開催される予定と言う。

 注目されるのは、「10年以上の介護職の給与アップ月8万円」の実現性と、支給対象を介護職員に限定するかどうかの2点だろう。初任給など若い介護職の給与は世間相場と変わらなくなってきているが、10年選手の介護職となると、産業一般より給与は大きく引き下がる。老健局長は、「8万円」は予算1000億円を算定するための根拠であると言うに止めた。月8万円は、年間ではおよそ100万円、対象者が10万人とすると、必要なお金は1000億円になる、という計算だろうか。支給を介護職員に限定かについては、濵谷局長はこれまでの施策を見直して、柔軟に、広い職種を支給対象にする方向になるだろうと、明確に話した。

 ただ、介護職員処遇改善加算を取得する事業者はまだよいが、比較的事業規模の小さい事業所では同加算未取得が少なくない。加算取得がなければ、その分の給与アップがない。厚労省がこの制度を「特例的例外的なもの」と言えば言うほど、加算未取得事業所はいつ梯子が外されて、引き上がった給与を払い続けるのが困難になるとの思いにかられる。手続きの煩雑感や多額の返戻をおそれる気持ちもあるらしい。これに対して、国の見解は、この加算がなくなる時には、基本的に同加算は本体報酬に切り替える方向だという。自国民が高齢者介護に携わる貴重な国である日本、しっかりリスペクト(敬意)して、報酬をつけてほしい。

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