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プリズム・社説 プリズム(2017年6月10日号)2017年6月15日07時00分

 台風シーズンを迎えた。温暖化の影響か、豪雨が日本を襲う。昨年8月、台風10号による大雨で、岩手県岩泉町の高齢者グループホームの利用者9人が亡くなった。町の「避難準備情報」が、言葉通りに「避難準備」の段階と捉えられて、避難が遅れたことが災いした。「避難準備情報」が出ると、災害弱者である高齢者や障がい者の場合には、避難を始める意味付けがあったが、この用語では伝わらなかった。国は昨年末に、言葉を足して「避難準備・高齢者等避難開始」に改めた。

 変更後の避難情報の表現は、「避難準備・高齢者等避難開始」(高齢者等は避難を開始する)、「避難勧告」(速やかに避難するよう促す)、「避難指示(緊急)」(直ちに避難する)の順に、緊急性が明確になった。

 避難するにも、だれが、どこへ、どのようにするのかが、前もって決まっていなければならない。3・11(東日本大震災)の時、宮城県岩沼市にあった特養「赤井江マリンホーム」は、押し寄せる津波に呑まれて全壊したが、利用者と職員はいち早く避難して、全員が難を逃れた。1時間の余裕すらない差し迫った状況で、職員が災害マニュアルに沿って動いた。前年にあったチリ地震の避難対応に不手際があり、その反省から、マニュアルを見直して、避難の手順を決めていたのが効を奏した。この記録を、私たちは受け継がれなければならない。

 昨年4月の熊本地震では、行政や医療・介護の専門職団体の動きが迅速だった。4月14日の前震から、ケアマネジャーらは安否確認に動き、16日に本震があると、翌17日には県本部に支援体制が整備された。九州・沖縄のケアマネ協会は、3・11以降、各県への支援体制を見直し、マニュアルは3度変えた。熊本地震の現地対策本部は福岡県のケアマネ協会が担い、全国からのボランティアの差配は長崎県の協会が担当した。3,300万人の高齢者が生活する災害立国、日本。ケアマネジャーや介護保険事業者が果たす役割は大きい。

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