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プリズム・社説 プリズム(2017年2月10日号)2017年2月13日07時05分

 トランプ大統領は、仕事がなく下流階層へ陥りつつあるアメリカの白人中流層に、より下流にいる移民層の存在を批判することで得票した。国際化による格差の増大が、トランプ大統領が誕生したとの分析だ。日本では、少子高齢化による社会の格差拡大を社会保障制度が食い止めている。

 05年出版の「下流社会」(三浦展著、光文社新書)は、日本の中流階層が下流階層へ崩壊しつつあることを豊富なデータで書き記し、ベストセラーになった。15年には、「下流老人 一億総老後崩壊の衝撃」(藤田孝典著、朝日新書)が、普通の生活をしてきた人が、病気、失業借金、離婚、介護などを契機に、転がり落ちるように、生活保護レベル以下の高齢期を送らざるを得なくなっていく様子を描いて、話題をさらった。

 いくら高齢者の定義を75 歳以上と見直し、就労を促しても、仕事はなかなか見つからない。繰り返し同じ作業を行う分野は、今後ロボットが力を発揮していくだろう。体力が衰えたうえ、IT社会について行けず、なかば就労は難しいとあきらめている。でも元気だし、生活のためにも働きたい。高齢者関連の生活協同組合などに出資金を支払って入会する人たちの中に、なんらかの仕事にありつけるのではないかと期待する人が多いそうだ。1億総活躍社会の実現には、60、70歳代になっても少しでも生活費を稼ぐ仕事づくりが欠かせないのだろう。

 やがて疾病や老化に伴って、社会的な支援が必要になる。若くて、元気なうちから保険料を支払ってきた年金や医療、介護に関わる社会保険には、だれもが期待を寄せている。この期待は、お金を払ってきた被保険者としては当然の権利だ。18年改正などにおいて、財政当局は保険給付の範囲の縮小を図ろうとしているが、たとえば要支援者の介護サービスの給付費は、要介護5の1割程度しかなく、福祉用具のちからも大きい。これらによって重度化を防ぎ、在宅生活が継続されている。下流老人に陥らないためのセーフティネットは、一度崩れると造り直すのは難しい。

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