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プリズム・社説 プリズム(2016年2月10日号)2016年8月12日07時00分

 医療保険や介護保険の財源をどこに求めるべきなのか。高齢化の進展による費用増大であるので、全面的な費用抑制は難しい。新年、東京で開催されたセミナーで、厚労省の唐澤剛保険局長は、「あるところから取れば反発を招き、広く取ればみんなを敵に回す」と応えた。収入や資産に応じて保険料や自己負担割合を高める応能負担の一層の強化か、たとえば1割を2割に上げるなど負担割合のベースを上げるのか、を指す発言とも取れる。

 次期改正では、利用者負担のあり方をテーマに、将来までの費用負担のスキームを決める議論が展開する可能性がある。すでに、15年介護保険改正では、昨年8月から65歳以上の20%の上位所得者の自己負担割合が2割になり、補足給付の低所得者要件に資産要件が加わり、単身者で1,000万円以上、夫婦で2,000万円以上の預貯金があると、施設の食費や居住費が全額自己負担になった。

 しかし、国民には被保険者としての権利と義務があることを国は忘れてはならない。介護保険はだれもが将来の不安である介護のために、早くから保険料を支払っている。それも強制的に、死ぬまで支払い続けなければならない。制度の信頼なくして、制度の持続可能性はない。

 財務省は、18年改正にむけて、要支援から要介護2までの利用者の介護保険サービスを、保険給付を止めて、市町村による地域支援事業へ移行させて、予算の範囲内で給付を行う仕組みに切り替えること、また、要介護2までの福祉用具レンタルと生活援助(訪問介護)の利用者負担を「原則自己負担化(一部補助)」することを提起している。

 効率がよく自立支援や介護負担の軽減に役立っている福祉用具サービスの給付制限を提起す一方で、介護ロボットの開発に多額の税金をつぎ込む政府のアンバランスさに、奇異さを感じているのは編集子だけだろうか。介護ロボット開発と福祉用具の活用とは、本質は同根だ。介護現場で現に使われている用具のイノベーションに焦点を当てることが現実的。新3本の柱のひとつに掲げられた「安心につながる社会づくり」こそ、18年改正の基本に据えるべきだろう。今月中旬にも政府の介護保険部会の議論が始まる。

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