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プリズム・社説 プリズム(2016年1月10日号)2016年8月10日07時00分

 2016年は、介護保険の歴史の中でどのような年になるだろうか。2月頃から社会保障審議会介護保険部会で次期18年改正の議論が始まり、年内には法改正の基本が固まる。市町村の地域支援事業へ移行する介護保険サービスは増えるのか。市町村が事業者指定権限をもち住民が利用者となる地域密着型サービスはさらに強化されるのか。何よりも、財務省が提起している応能負担の増大による利用者負担の拡大はどうなるのか。18年改正は、団塊ジュニアの介護問題が顕在化する2050年過ぎまでを見据えた、財源と人の確保をベースにした今後の高齢者医療・介護サービスの骨格に迫るものになるかも知れない。

 2000年、介護保険が始まった時、65歳以上の高齢化率は17%だったのが、今は27%近くまで伸展した。制度創設の役割のひとつに増大する医療費の抑制があり、放置すれば医療ニーズとなって表れる長期療養の高齢者問題を、介護サービスの充実によって、介護ニーズとして切り替えてきた。地域では、産業の空洞化が若者の働く場を奪い、高齢者が取り残された。もし介護保険がなければ、高齢者介護は抜き差しならない社会問題となり、医療費はさらに増大していたことだろう。

 今年の16年診療報酬改定では、14年診療報酬改定で導入された病院の早期退院システムが一段と強化される見込みだ。退院先となる在宅を受け持つ介護保険や療養環境を整える福祉用具の役割は、これまで以上に重要になる。同時に、介護職の給与が一般産業並みに届いていない現状を改善しなければ、人材不足が一段と進み、介護サービスが行き届かなくなるだろう。15年改正で介護職員処遇改善加算の大幅な上乗せが図られたが、依然、3割を超える事業所は同加算の届け出を行っていない。実効性の高い人材確保施策は、次期改正のテーマだ。

 介護保険が、38万事業所から500万人超の利用者がサービスを受けるまでに育ったのは、超高齢社会日本のニーズであるからだ。社会ニーズに沿わない財政主導による給付抑制策では、国民の支持は得られない。

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