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プリズム・社説 プリズム(2015年12月10日号)2016年8月 9日07時00分

 介護現場から、財務省の介護保険給付制限案に批判が起きている。介護の現状を見ずに、要介護2までを軽度者と見て、国家財政面からだけの給付抑制をかける財務省案に、在宅で自立して頑張ろうとする利用者ご本人や24時間支え続ける家族介護者の日々の努力を台無しにしてしまうおそれがあるからだ。デ イサービスや訪問介護のケアスタッフは、自分たちの関わりが限られた数時間だけであっても、残りの圧倒的な時間を本人と家族らでやっていけるようにと、プ ロの介護職として留意し、家族等を勇気づけている。

 財務省は、介護の必要度の高い重度者にこそ給付を重点化すべきと一貫して主張してい る。しかし、保険給付を外される側の「軽度者」だが、実態は軽度ではないことを、家族も介護職も知っている。適切な外部からの支援は継続して初めて、家族 介護は破綻せず、自立へ向かう本人の意欲も立ち消えない。しかも、1人平均給付費は、要支援1で月2万6,000円であるのに対して、要介護5は29万円を超える。

 財務省は、人材枯渇の中で、限られた介護や医療の人材を重度者へシフトせざるを得ないからとも論じるが、そもそもがサービス利用 量が全く異なるものである。要支援者から専門職のサービスを取れば、ただただボランティアが残るに過ぎないという絵図になる。そうしたボランティアがいる かどうかも不明なまま、介護現場に混乱を起こし、中重度者を増やすばかりになる。

 施設サービスも入れた介護保険全体の給付の増大は、高齢者の増加にこそ要因がある。全介護度を通して、区分支給限度額に対して実際に使われている割合は平均5割前後に止まっており、1人平均給付費は当初より減っている。

 10月、11月に大阪、神戸でケアマネジャー、介護福祉士、社会福祉士、福祉用具専門相談員らが集まり、財務省案に対する情報交換会が行われた。「介護保険の危機」と捉え、年明けにも神戸でシンポジウムの開催、現在の事態を広く訴えることを検討している。

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