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プリズム・社説 「プリズム」(2013年2月10日号)2013年3月27日09時08分

 94年制定の「職場における腰痛予防対策指針」が改定される。重量物の運搬がある運輸や建築業などは機械化が進み、腰痛発生が減少するなかで、介護や医療分野での腰痛が増えているためだ。11年度に発生した休業4日以上の腰痛発生件数は、社会福祉施設における腰痛が1002件で全産業の18.8%で最も多く、医療保健業も390件で7.3%を占めている。特に社会福祉施設における腰痛は02年度が363件だったので、9年間で腰痛発生件数は3倍近くに拡大した。利用者の増大が最大の要因だが、人材不足の中で、介護現場での腰痛予防対策が置き去りになっている。

 今回の指針の見直しは、指針制定後20年間での腰痛予防の知見を盛り込むとされる。福祉機器の活用やバイオメカニクスによる介護技術の応用、それに北欧やアメリカ、オーストラリアなどの医療介護現場での腰痛予防の取組の成果など、確かに新たな知見はある。しかし、腰痛予防対策指針の最大の問題は、医療や介護現場において、この指針の存在が忘れられ、使われてこなかったことにある。

 指針見直しの検討会委員で目黒区立特養ホーム東山の萩尾映子施設長は、様々な腰痛予防対策を行ってきたにもかかわらず、利用者の重度化による介護量の増大によって、介護士の腰痛が増加してきたと訴えた。00年から11年までの間に、同施設の利用者の平均要介護度は3.4から4.2に重度化。10年度に腰痛を感じていた介護士は男女合わせて32人だったが、12年度には44人に、わずか2年間で3割にあたる12人が増えた。重度化に対応して人員を増やすことが難しい現実がある。

 欧米の腰痛対策は、関係者が対策の必要性を認識することから始まっている。新しくできる腰痛予防指針が使われるためには、介護現場から腰痛をなくすという共通意識を醸成しなければならない。さもなくば、実効性ある行動も施策も出てこない。
 

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