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プリズム・社説 「プリズム」 (2011年12月10日号)2012年1月17日18時00分

 先月高知で開かれた全国老施協大会で震災被災地から厳しい報告が行われた中で、特養46人、ショートステイ11人、デイサービス39人の利用者96人と職員48人の計144人全員が無事避難した宮城県岩沼市の特養「赤井江マリンホーム」園長、小助川進さんから教訓があった。

▼地図で見れば東側200メートル先、松林越えに広大な太平洋がある。14時46分、恐ろしいほどの震れだったが地震自体の被害は思いのほか少なかった。停電の中、送迎用車のカーラジオで、津波の到来予想時刻は15時40分頃と分かったが、あと1時間もない。昨年のチリ地震では避難に1時間半以上を要した。避難先を、急きょ指定避難所で最も近く1.5kmの距離の仙台空港に変更、14時55分には最初の車が出た。

▼一刻の余裕もない中で、歩行ができるデイ利用者と車いす移動になる特養入居者を分けて、サービス単位での避難が、混乱が少ないと考えられた。車いす利用者は布団を敷き詰めた車に数名ずつ乗車。職員の車もすべて玄関前にエンジンをかけて並べ、ピストン運転で空港を往復。15時30分、最後の車がホームを出発、わずか40分ほどで全員の避難を終えた。

▼着の身着のまま避難したチリ地震時には、避難解除が発表されず、一晩、食べ物がなく寒さに耐えた。その反省から、栄養士は非常食、経管栄養食、看護師はクスリと血圧計、体温計、介護職は毛布やおむつ、生活相談員はケース記録を持ち出した。防災委員会で緊急避難時に必要なものが洗い出され、役割分担も再確認されていた。

▼仙台空港では、空港職員が高齢者を2階へ運んだ。これもチリ地震の反省から、空港の災害マニュアルが見直された結果だった。15時59分、津波が空港を襲った。

▼赤井江マリンホームの利用者、職員は翌12日夕方には、同一法人の施設に2次避難した。被災施設はわずかに鉄筋コンクリートの骨組や土台を残すだけで、いまも避難生活が続いている。過去の反省に立っての備えがあったことが、安全な避難を実現したと言える。

▼報告者のひとり、岩手県大槌町の特養「らふたぁヒルズ」施設長、芳賀潤さんからも、リアルな訓練が提唱された。「一昼夜ライフラインを止めると、いま何をしなければならないかが見てきます」と。

<シルバー産業新聞 2011年12月10日号>

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