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プリズム・社説 「プリズム」 (2012年6月10日号)2012年7月 5日09時33分

 区分支給限度額を超えた介護保険サービスの利用者負担は、「保険給付の対象外」であって、必ずしも10割負担ではない。厚労省の説明によると、支給限度額を超えた利用料は、基準費用額との間で「不合理な差額を生じない」ように、事業者と利用者の契約で決めればよいとされた。4月25日に国が出した12年介護報酬Q&Aの中で、支給限度基準額を超えた場合の介護職員処遇改善加算の算定方法の問い(問12)で、介護報酬総単位数が支給限度額を超えている場合の超過分とその超過分の加算は「保険給付の対象外となる」と答えるに止めた。国は、「不合理な差額を生じない」という観点から、「支給限度額外は10割負担」としてきたこれまでの判断を示すことはなかった。

 では、いくらの利用者負担を求めればよいのか。今春、インターネットの介護サイトで、介護報酬改正への対応に奔走するケアマネジャーらによって、この議論が賑わった。実際、在宅で踏ん張っている介護保険のヘビーユーザーは、支給限度額は変わらないままに、報酬改正によってサービス単価引き上げや加算の創設が行われるという、たいへんつらい状況に置かれている。支給限度額外はすべて10割負担とあっては十分な介護サービスが使えない。住み慣れた在宅や地域での生活をめざす地域包括ケアの推進にも逆行する。

 事業者にとっては、支給限度額を超えた利用者から10割をもらわなければ、保険給付がない以上、大損だ。支給限度額外の利用者負担は事業者と利用者の契約で、と国が言う所以だろう。お泊まりデイの宿泊費や自費レンタルの価格設定などと同様に、支給限度額内での介護保険サービス提供で何とか事業性は確保できるのであれば、それなりの価格設定もあるのかも知れない。ただし、こうした論理は「支給限度額外は保険給付外、つまり介護保険サービスではない」という前提に立たなければならない。24時間サービスの兼務や業務委託の自由さ加減といい、介護職のたんの吸引やヘルパーの生活リハビリといい、これからの介護保険は、介護の担い手や事業者などの負担を伴いながら、制度の輪郭があいまいになっていく。保険者の判断が試されるのか。

<シルバー産業新聞 2012年6月10日号>

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