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介護保険・行政農水省 「介護食品をめぐる論点」 保険給付の検討も指摘2013年8月13日08時00分

0810nosui.jpg製造・普及・利用に向け政府全体の取り組み求める

 農林水産省は7月18日、「これからの介護食品をめぐる論点」を公表した。これまで5回開催された「これからの介護食品をめぐる論点整理の会」の議論を整理し、まとめたもの。

 「論点」では、「介護保険など公的サービスの位置付けについても検討すべき」と指摘し、保険給付の必要性にまで踏み込んだ。さらに、「政府全体として将来を見据えた取り組みを進めることが必要」として、関係省庁が連携していく方向性も示した。

 今後、「論点」を踏まえ、引き続き議論の場が設けられる見通し。

■定義の明確化が最優先の課題

 農水省がまとめた「論点」では、「今後の検討に当たっての視点」として、大きく分類し次の5項目を明示した。①介護食品の定義の明確化②高齢者の栄養に関する理解の促進③介護食品の提供方法④介護食品の普及⑤介護食品の利用に向けた社会システムの構築――。

 特に⑤では、製造・流通業者から医師・看護師・ケアマネジャーなど関係者が、利用者ニーズを把握するため、情報を共有する社会システムを国が構築していく必要性を指摘。その上で、「介護保険など公的サービスの位置付けについても検討すべき」と提起した。さらに、国が率先して取り組むべき課題も多いとして、「関係省庁が連携を図りながら政府全体として取り組みを進める」ことの重要性を強調した。

 ①では、「どこまでの範囲を対象とするかといった定義を明らかにすることが最優先の課題」と指摘。さらに、「利用者の対象や利用方法などの観点で位置付けを明確にしていくことが必要」と、介護食品を分類・整理していく必要性に言及した。これは現在、流通している介護食品が、咀嚼・嚥下機能が衰えた人を対象とする「狭義」の介護食品から、未病段階の高齢者まで利用する「広義」の介護食品が存在するなど、定義しにくい現状を踏まえたもの。

 ②では、「低栄養が高齢者の身体的機能などに及ぼす影響についての認知度が低いのが現状」として、低栄養に関する国民への啓発を求めた。また、高齢者の栄養に関する実態調査の必要性も指摘した。

 ③では、利用者の満足度を高めるために、家庭で調理の工夫ができる、加工度の低い半製品の開発を求めた。また、コストが低く栄養面が優れている配食サービスの充実にも言及した。

 ④では、ネーミングにも触れている。「介護食品に対する抵抗感・拒否感を払拭するため、ネーミングなどについて良いイメージ作りを行うことが必要」として、官民を挙げたPR活動や国民運動を求めた。

 「これからの介護食品をめぐる論点整理の会」は、
今年2月に1回目の会合を開催し、7月9日に開催した第5回が最終回。事務局がまとめた「論点案」を概ね了承、最終的なまとめは岩元睦夫座長と事務局に一任し、18日、「論点」を公表した。

 論点案で、介護食品の定義を明らかにすることが「最優先の課題」と指摘されたことを受けて、食料産業局長・山下正行氏も最終回の「論点整理の会」で「関係省庁と調整していきたい」と意欲を見せていた。

 今後は、今回の「論点」をたたき台として、新たな枠組みで議論が始まるものと見込まれる。

■「これからの介護食品をめぐる論点」主なポイント(要約)

①介護食品の定義の明確化

 ・どこまでの範囲を対象とするかといった定義を明らかにすることが最優先の課題

 ・市販されている介護食品について、位置付けを明確にしていくことが必要

②高齢者の栄養に関する理解の促進

 ・食事摂取量が不足することが高齢者にとってどれだけ悪いことなのかということを広く国民に周知していく仕組み作りが必要

 ・要介護高齢者の栄養状態についての実態調査が必要

③介護食品の提供方法

 ・半製品的な加工度の低い介護商品の開発・提供を行っていくことも必要

 ・食事の提供に関する支援が必要な方が更に増加することを考慮すると、配食サービスが不可欠

④介護食品の普及

 ・定義を明確にした上で、国民運動などにより、広く国民に普及することが重要

 ・ネーミングなどについて良いイメージ作りを行うことが必要

⑤介護食品の利用に向けた社会システムの構築

 ・介護食品を適切に利用することによる医療費の削減効果などを評価する取り組みも必要

 ・利用者ニーズを把握するため、製造・流通の事業者、医師、看護師、ホームヘルパー、ケアマネジャー、管理栄養士、地方自治体などが情報を共有する場を作っていくことが重要、そのための社会的なシステムを国が作っていくことが必要

 ・介護保険など公的サービスの位置付けについても検討すべき

 ・製造・普及・利用に向けて、関係省庁が連携を図りながら政府全体として将来を見据えた取り組みを進めることが必要

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