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介護保険・行政介護食品論点整理の会 栄養・食事ケアに保険給付求める2013年6月26日08時00分

0613nosui.jpg 農林水産省は「第3回これからの介護食品をめぐる論点整理の会」を5月9日に、第4回を同月31日に同省で開催した。3回目の議論では、介護現場関係者3氏から報告が行われ、高齢者の栄養・食事ケアを介護保険給付の対象にしてほしいとの要望が出されたほか、ケアマネジャーに対する栄養に関する啓発が急務との指摘が出された。

 4回目の議論には、実際に介護食品を販売している流通業者・団体が参加、現状と問題点を明らかにした。特に、認知度向上の必要性を指摘する声が相次いだほか、小売店がニーズを把握できないでいる現状が報告された。また、スーパー1店舗における介護食の月間販売高が、その用途や有用性を正しく訴及できていないために僅か1万円という実態も明らかにされた。

■「栄養ケアに保険給付を」

 3回目の会議で介護現場の立場から発言した一人、葵の園川崎南部(神奈川県川崎市)主任ケアマネジャー・倉持里津子氏は、現場では栄養ケアまでは行き届かず、その前段階の食事提供に止まっている実態を報告。同時に、「最も苦しんでいるのはヘルパーだと思う。誰かに相談したいにもかかわらず、どこに相談に行けばよいのかも分らないでいる」とヘルパーの窮状を説明した。その上で、栄養・食事管理を行っているヘルパーや管理栄養士の業務を、保険給付の対象に検討してほしいと訴えた。

 年間4万食の配食サービスを展開している小田原福祉会潤生園理事長・時田純氏も、「配食支援を介護保険給付に位置付ける必要がある」ことを強調するとともに、「配食サービスがなければ、これらの人々は入院するしかなくなる」と、配食サービスが入院患者数の抑制に機能している一面を説明した。

 岩元睦夫座長が緊急を要する課題を委員に求めたところ、日本ホームヘルパー協会会長・因利恵氏は「介護食とは何か」という定義の検討からスタートしないと、「(今後の)議論がブレるのではないか」と懸念を示すとともに、在宅高齢者の食の実態調査を行うべきとの考えを示した。

 一方、介護食の普及・啓発に関しては、食品産業センター企画調査部部長・信太英治氏が「国民的運動を進めるべき」としたほか、ジャーナリスト・増田敦子氏も「『便利でおいしい介護食品』とでもキャッチコピーを付けて周知徹底するべき」と、啓発キャンペーンの必要性を指摘した。また藤田保健衛生大学医学部教授・東口志氏は「ケアマネジャーには栄養について勉強をしてほしい」と注文をつけた。

■販売現場では適切な食事指導が不可能

 4回目の会議では日本スーパーマーケット協会専務理事・大塚明氏が、会員企業の介護食品に対する認識を明らかにした。大塚氏は多くの企業はまだ、介護食品を取り扱う「必要性を感じていない」と指摘、その背景として「市場動向が分からずニーズを把握できていない」ためと説明した。そのため、スーパーの取り組みは限定的と報告するとともに、ある店舗のケースとして月間売上高が「5000~1万円」だったことも明らかにした。こうした流通実態に対し、岩元睦夫座長も「月1万円というのは問題と感じている」と印象を吐露する一幕もあった。

 実際に介護食品を販売しているヘルシーフード社長・黒田賢氏は、医療機関の指導を受けたことを確認した上で、通販事業を行っている同社のビジネススタイルを説明しつつ、「地域に栄養士が存在しない」という声のあることを紹介した。また、食品であるため製品には病名や疾患名を記載できないことから、患者等が自分に合った食品を見つけられず、結果として認知度が高まりにくい現状を説明した。

 現在、介護食品のメインルートとなっているドラッグストア業界からは、日本チェーンドラッグストア協会事務総長・宗像守氏が出席。

 同氏は、ドラッグストアで多く流通している介護食品が、「ユニバーサルデザインフード」であることを紹介しながらも、これらを「どのような人に、どのように食べてもらうのがよいのか、また他に食事が必要なのかどうか不明」と指摘。そのため「販売現場では適切な食事指導・アドバイスができない状況である」と、問題点を明らかにした。

 最終回となる次回は6月下旬に開催される予定で、論点の取りまとめ作業が行われる。

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