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シルバー産業新聞

介護保険・行政数字が語る 東北被災市町村の介護保険③2013年6月13日08時00分

0511iwate.jpg地域密着型サービスの状況(’11/01~’12/11)

岩手県・宮城県は伸び停滞、福島県は伸び拡大

 11年1月から12年11月までの1年10カ月の間、東北被災3県の地域密着型サービスの受給者数は、全国平均23%増に対して、岩手県と宮城県の被災地市町村は同じ14%増に留まり、被災地以外の県内の伸び(30~40%台)を大きく下回った。これに対して、福島県の被災地市町村の地域密着型サービスの伸びは26%で、被災地以外の県内の伸び21%を上回っている。

 甚大な津波破壊を受けた岩手、宮城の市町村で、地域介護力の象徴ともいえる地域密着型サービスの伸びが停滞することは予測できる。一方、原発被害による避難生活が続く福島県の浜通りの被災地では、以前から地域密着型サービスの整備量が少ないところが多く、それが避難先に移って、知らぬ地での生活の中で、地域密着型を含めてサービス利用が進むようになった模様だ。

岩手県 地域密着型サービス

<受給者数>

被災地14%増、被災地以外の県内38%増、全県35%増、全国23%増

<給付費>

被災地26%増、被災地以外の県内52%増、全県46%増、全国27%増

<小規模多機能型居宅介護>

被災地9%増、被災地以外の県内56%増、全県38%増、全国47%増

0511miyagi.jpg<認知症対応型共同生活介護>

被災地35%増、被災地以外の県内26%増、全県28%増、全国16%増

宮城県 地域密着型サービス

<受給者数>

被災地14%増、被災地以外の県内44%増、全県23%増、全国23%増

<給付費>

被災地26%増、被災地以外の県内46%増、全県32%増、全国27%増

<小規模多機能型居宅介護>

被災地20%増、被災地以外の県内231%増、全県42%増、全国47%増

<認知症対応型共同生活介護>

被災地17%増、被災地以外の県内11%増、全県15%増、全国16%増

 南三陸町の受給者が2倍以上に増加しているのは、新たに小規模特養サービスが開始されたため。被災地以外の小規模多機能が3倍以上に増えたのは、栗原市、大崎市などでサービスが始められたことによる。

福島県 地域密着型サービス

0511fukushima.jpg<受給者数>

被災地26%増、被災地以外の県内21%増、全県22%増、全国23%増

<給付費>

被災地56%増、被災地以外の県内29%増、全県31%増、全国27%増

<小規模多機能型居宅介護>

’11/01時点で被災地で実績なし

<認知症対応型共同生活介護>

被災地25%増、被災地以外の県内15%増、全県16%増、全国16%増

要介護化もたらす家族ばらばらの避難生活 ―福島県大熊町―

 今年3月11日、町のHPで福島県大熊町(人口1万1,405人)の渡辺利綱町長は、「発災以降本日まで、原発事故による避難中に211人が亡くなられた。大熊町は発災から2年が経過した本日まで、全町民が避難を余儀なくされている」と、厳しい避難状況を報告した。

 現在、大熊町役場は、会津若松出張所と、いわき市・中通り(二本松市)・現地(大熊町)の3カ所の連絡事務所に分散する。会津若松市といわき市には大熊町の仮設住宅がある。今後は災害公営住宅の建設が予定されている。

 大熊町の介護保険の受給率は、11年1月の13.0%から、1年10カ月後の12年11月には19.2%に大幅な拡大をした。この間の介護給付費の伸び幅は、居宅介護支援で69%、通所介護で122%、福祉用具レンタルで52%に達した。その一方で、避難地では利用がしにくいと思われる訪問介護は、27%減になった。

 地域密着型サービスの利用についても、被災地を除く福島県内の利用(同期間、21%増)に比べて、大熊町の受給者は35%伸びている。

 「家族ばらばらの避難生活になり、見知らぬ地で老々介護が増えている。大熊町ではデイの利用がかなり伸びたほか、ショートステイや老健、有料老人ホームなどの利用も拡大している。介護サービスの利用につながりを求める住民の意識が働いている部分もあるかも知れない。大熊町にいた時は、軽度者の人たちも少しは畑仕事をしたり、家の掃除やご近所との関わりがあり、体を動かす機会も多かった。それが知らない土地での仮設住宅の生活になり活動量が低下した」と、武内一恵介護保険係長は介護保険利用増加の背景を話す。

 会津若松市にある仮設住宅は12カ所。以前のコミュニティを維持しようと同じ地域の人たちで入居先を決めた。役場では保健センターなどの職員による介護予防教室を行っている。週1回の実施だが、仮設住宅が多いので、個々の仮設住宅からすると月1回程度の実施に留まっている。増やしたいが、人材的に現状が精一杯という。日頃は民生委員が仮設住宅を回っている。今年度から、いわき市内の仮設住宅でも介護予防教室が行えるよう準備が進められているという。

 一方、大熊町の事業者は避難地域での介護・看護スタッフの確保が最大のテーマ。人員の確保ができずに避難地での事業再開をあきらめたところが多く、再開にこぎ着けた事業者も思うように人員が集まらずに事業縮小を余儀なくされている。

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