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介護保険・行政農水省 「これからの介護食品をめぐる論点整理の会」初会合2013年3月29日08時46分

 農林水産省は2月27日、同省で第1回「これからの介護食品をめぐる論点整理の会」を開催した。第2回を3月下旬に開催予定で、以後、毎月1回開き、6月に論点整理をまとめる。座長には、日本フードスペシャリスト協会会長・岩元睦夫氏が就いた。

 冒頭、挨拶に立った同省食料産業局長・針原寿朗氏は、「介護食市場は約1000億円と言われているが、要介護者数などからは2兆5000億円のマーケットと推定でき、その乖離は介護者・家族がご苦労されていることになる。関連事業者が論点を共有することが重要で、どこに問題点があるのか明らかにするために論点整理の会にした」と、その目的を話した。座長に就いた岩元氏は「高齢者の問題を社会全体で支えていくのは当たり前のこと。農水省の次の施策に反映できる論点整理を作り上げていく」と、抱負を明らかにした。

 会合には岩元座長のほか10人の委員が出席、各委員がそれぞれの立場から介護食に関する問題点を指摘した。日清医療食品受託業務課係長・川崎理子氏は同社が展開する給食事業を踏まえ、「施設によって、きざみ食と呼んだりソフト食と言ったり、呼称と内容がまちまち」と、介護食の名称さえ統一されていない現状を指摘した。また、食品産業センター企画調査部部長・信太英治氏は、高齢者向け加工食品が販売されていることをヘルパーの5割、消費者の7割が知らない。認知度の向上が最重要で、官民挙げたキャンペーンが不可欠。認知度が上がればニーズが把握できるようになるし、供給体制の改善にも繋がる」と介護食の普及方法の検討が最重要との認識を明らかにした。東京大学医学部附属病院手術部准教授・深柄和彦氏は「介護食は用途が広い。高齢者の健康維持が目的なのか、嚥下支援なのか咀しゃく支援なのか多用。だからこそ分類が重要になる。その分類によって適用が決められなければならない。その適用に応じて、その食品が必要とされる人の道標を作らないと、メーカーも何を製造したらよいか分らない」と、介護食の定義と分類の重要性を強調した。

 こうした各委員の意見を引き取る形で、岩元座長が①栄養摂取が十分かどうかを平均データで判断することの適否②介護食の低い認知度③施設ではなく特に在宅での食の問題④物性の評価だけでなく安全性と美味しさからの評価の重要性⑤食支援の制度が多くある中で、その全体を踏まえた位置づけの重要性⑥障がいを持つ子供も介護食を利用しているという視点も踏まえる――と、6点の論点を集約、別表にまとめた事務局が想定する論点に加えて、議論されていくとみられている。

農水省が想定する主な論点(要約)

Ⅰ 高齢者の食をめぐる状況に対する介護食品の対応策について

  ・一部の高齢者が低栄養状態にあるとの指摘もあることから、高齢者の食事摂取のあり方の検討
 ・美味しくない等の声もあり、食味・見た目などを改善する必要性
  ・介護食品の商品数や種類を増やす必要性 等

Ⅱ 介護食品を利用しやすくするための取り組みについて

  ・介護食品というネーミングに抵抗感があるという声もあり、受け入れやすいネーミングの検討
  ・企業ごとにあるさまざまな基準の規格(固さ等)を整理する必要性
  ・非常に割高感があるため、利用しやすい価格設定の必要性 等

Ⅲ 介護食品の普及方策について

  ・どこで売られているのかわからない等の声もあり、介護食品の認知度を向上させる必要性

Ⅳ その他、今後想定される課題について

これからの介護食品をめぐる論点整理の会委員名簿

岩元 睦夫(=座長)
日本フードスペシャリスト協会 会長

因 利恵
日本ホームヘルパー協会 会長

大越 ひろ
日本女子大学家政学部食物学科 教授

川崎 理子
日清医療食品 営業本部係長

菅 いづみ
全国消費者団体連絡会

菊谷 武
日本歯科大学 教授/口腔リハビリテーション多摩クリニック 院長

神山 かおる
農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所 上席研究員

迫 和子
日本栄養士会 専務理事

信太 英治
食品産業センター 企画調査部部長

武見 ゆかり
女子栄養大学大学院 教授

東口 髙志
藤田保健衛生大学医学部 教授

深柄 和彦
東京大学医学部附属病院 准教授

福島 厚子
日本食糧新聞社 取締役営業本部長

増田 淳子
ジャーナリスト(元NHKプロデューサー)

(五十音順、敬称略)

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  • 2月27日に開かれた第1回目の
    「これからの介護食品をめぐる論点整理の会」

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