ケアマネジャーはじめ介護・医療に携わる皆さまへ様々な最新
情報を深く分かりやすくお伝えする「シルバー産業新聞」です。

Care-new.jp

大中小 テキストサイズ変更RSS

シルバー産業新聞

介護保険・行政「2020行動計画」もとに 恒久的バリアフリーへ2020年3月 5日07時05分

大会契機に街と心を革新

 開催まで7カ月を切った東京2020オリンピック(7月24日~8月9日)・パラリンピック(8月25日~9月6日)。国は開催へ向け17年に「ユニバーサルデザイン2020行動計画」を策定した。パラリンピック開催を契機に、社会的障がいを取り除く考えのもと、「街づくりのバリアフリー」と「心のバリアフリー」の一層推進を明記した。東京オリンピック・パラリンピック推進本部事務局の岩川勝参事官に聞いた。

パラリンピックは前回の東京五輪から

0206bfp1.jpg

 「パラリンピック」という呼称は1964年の東京大会において世界で初めて使われた。

 2度目の開催となる今大会は、2013年に東京大会を招致した時からパラリンピックの成功なくして東京大会の成功はないと認識してきた。

 16年2月、「ユニバーサルデザイン2020関係府省等連絡会議」を立ち上げた。18の障がい当事者団体が参加し、分科会を12回開催し、17年12月に関係閣僚会議で「ユニバーサルデザイン2020行動計画」を決定した。

街と心両面からバリアフリーめざす

 障がいのあるなしにかかわらず、すべての人がお互いを支えあい、誰もが生き活きとした人生を享受することができる「共生社会」の実現をめざす。「ユニバーサルデザイン(UD)の街づくり」と「心のバリアフリー」の普及が柱だ。

 「街づくり」においては、国際パラリンピック委員会(IPC)から、会場や周辺に関して高基準のバリアフリー化が求められてきた。その要請に応えることが街づくりになると考えている。

 「心のバリアフリー」は、人々の心の在り方を変えて共生社会を実現するという意味がある。

IPCからの要請を基準に計画策定

  14年11月に我々は、IPCから示された基準を踏まえて、組織委員会とでアクセシビリティ協議会を発足させた。17年3月には、日本の実態に沿って「TOKYO2020アクセシビリティガイドライン」としてIPCの承認を経て公表した。

 エレベーターは、より多くの利用を想定して、11人乗りを24人乗りに大型化、あるいは11人乗りでも2機用意するようにした。

 こうした基準で、新国立競技場の最寄りの千駄ヶ谷駅や信濃町駅では大規模改修を行っている。

 18年5月には改正バリアフリー法が成立。交通事業者や市区町村、建築物管理者などにバリアフリー化の義務づけや努力義務を化した。

 鉄道駅ではバリアフリールートをより短くしたり、複数ルート化を行う。また1日に3000人以上が利用する旅客施設の段差解消率を87.2%(16年度)から100%とすることなどが目標として設定された。

ホテル客室の1%をバリアフリー化

 観客や選手の受け入れ面では、宿泊施設の客室の1%をバリアフリーの部屋に整備する。条例改正を行い、東京都のホテル客室のすべてで、段差解消やドアの幅の確保など一定水準のバリアフリー化を行う。加えて、観光庁や東京都を始めとした各地の自治体において既存の客室の改修へ補助事業を行っている。

 観客向けホテルは政府観光局を活用しながら客室の情報提供を行って、障がいの態様や程度に応じたニーズのマッチングを行う。

学習指導要領にBF教育

 教育分野では17年3月に小中学校の学習指導要領を改訂し、段階的に子どもたちにバリアフリー教育を実施していく。特別支援学校などとの交流や共同学習の機会を設けることが明記された。

ホストタウンに478自治体

 参加各国が大会前の事前キャンプを行うときの地域交流を行う自治体も「ホストタウン」として現在478件登録されている。

 その中で特にパラリンピアンを受け入れることを契機にバリアフリー化や子供たちとの交流をする自治体を「共生ホストタウン」として現在65自治体が登録する。

都内の25% 乗降しやすいUDタクシーに

 大会までに都内のタクシーの25%を乗降しやく、車いす乗車が可能な「ユニバーサルデザインタクシー」にしたい。さらに自動車メーカーに車体改良を要請している。研修の義務付けや、乗車拒否の罰則なども適用する。

 また、車いす利用者が電車に単独で乗降できるための基準を定めた。今後は基準を満たしている駅の情報をマップ化する。

 あわせて計画を進める上で障がい当事者の参加は大切な課題だ。フォローアップ・進捗確認をしっかり行っていくために、障がい当事者が参画する「評価会議」を18年12月に設置し、これまで3回開催した。

 これらの取り組みは大会後も展開し続ける「レガシー」であると考える。

皆で盛り上がり共生社会の輪が広がる契機に

0206bfp3.jpg

 東京大会では全国の人々に、大会を自分たちのものとして楽しんでいただきたい。「ホストタウン」を政府の中核事業として位置付けたのもそのためだ。中でもパラリンピアンの受け入れを契機とする「共生ホストタウン」を展開し、共生社会の「輪」が広がる大会にしていきたい。

 例えば、秋田県の大曲の花火大会では、障がい者でも楽しめるように点字イラストを提供したり音を振動に変換する機器を活用したりした。

 パラリンピックのチケット販売は、1次募集でロンドン大会の3倍の300万枚の応募があった。これは過去最多だ。観戦に訪れた満員の観客とともに盛り上がるのが楽しみだ。

日本の技術をアピールする絶好のチャンス

 ロボット技術は一つのソリューションであると考えている。介護の現場も高齢化していく中で、介護ロボットが発達し実用化レベルまで進んできている。私自身メーカーの展示会に参加する中で、「介護」が一テーマとして設定されている機会が多くなっていると感じている。実際の現場を見ていただくなどいろいろな機会を活用して日本の技術力を発信していきたい。

「介護保険・行政」カテゴリーの最新記事

シルバー産業新聞購読のご案内

発展する「シニアマーケット」の動向など、確かな業界情報はシルバー産業新聞から。

1年間(12回)
7,700円(送料・税込)
2年間(24回)
14,214円(送料・税込)
3年間(36回)
19,545円(送料・税込)

購読、書籍のお申込みはコチラ

  • 【お知らせ】電子版「シルバー産業新聞」
  • シルバー産業新聞申し込み
  • ハンドブック申し込み
  • SSL グローバルサインのサイトシール