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介護保険・行政ケアプラン有料化、見送り2020年1月10日13時43分

2割、3割負担拡大なども 「引き続き検討」

 2021年度の介護保険法改正で居宅介護支援費の利用者負担導入は見送られることが決まった。12月16日に開催された社会保障審議会介護保険部会(座長=遠藤久夫・国立社会保障・人口問題研究所長)で「引き続き検討を行うことが適当」とする事務局案が示された。同様に「要介護1・2の生活援助等の総合事業移行」「2割、3割負担者の拡大」などの給付抑制策も次期改正では見送られる。

「給付と負担」6項目を見送り

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 介護保険部会は昨年2月にスタートし、21年度改正の審議を重ねてきた。特に注目された「給付と負担」のテーマでは、前回改正で持越しとなっていたテーマや内閣府の「新経済・財政再生計画改革工程表2018」に課題とされたものなど全8項目について検討。いずれも賛否両論あったが、最終的には8項目中6項目を「見送り」とした(表)。補足給付と高額介護サービス費については見直しを行う。

 ケアマネジメントの利用者負担導入は、これまで何度も遡上に上っては見送られてきたテーマだ。ただ18年度改正の同部会では賛否が真っ二つに分かれただけに、今回が「まさに正念場」と捉える見方もあった。財務省も「ケアマネが定着した今こそ見直しの時期だ」と利用者負担の導入を強く求めていた。

 今回も予想通り賛否は割れたが、慎重派の意見として、「入口での利用控えが危惧される中、拙速な導入は反対」「ケアマネは保険者の代わりを担う立場でもあり、利用者負担を求めることがなじむか疑問」「セルフケアプランが増加し、自立に繋がらないケアプランとならないか。質の高いケアマネジメントを実現する観点から慎重に検討すべき」などの意見があがっていた。

 最終的に、同省は「利用者やケアマネジメントに与える影響を踏まえながら、質の高いケアマネジメントの実現や他のサービスとの均衡など幅広い観点から、引き続き検討を行うことが適当」と結論付けた。

要介護1・2の生活援助移行 「時期尚早」

 そのほか、▽要介護1・2の生活援助等の総合事業移行▽2割、3割負担対象者の拡大▽老健などの多床室料負担の導入――なども次期改正では見送る。要介護1・2の生活援助等の総合事業移行は、「まだ住民主体のサービスが不十分だったり、地域のバラつきも大きい中で、効果的・効率的な取り組みは期待できない」など、「時期尚早」「まずは現行の総合事業の強化に力を入れるべき」といった指摘が多く寄せられていた。

 さらに「認知症の人も多い要介護1・2の介護負担は決して軽くない。要介護1・2を『軽度者』と称するのは誤解を与えかねない」と懸念する声もあった。

 2割、3割負担対象者拡大では、それぞれの基準となる「一定以上所得」「現役並み所得」の見直しや「原則2割負担」を念頭に議論が行われた。「これまでの2割、3割負担導入は高齢世帯に大きな影響を与えている。利用者の生活実態を踏まえて慎重に検討しなければならない」「原則2割負担に踏み切る前に補足給付の見直しなど、今できる工夫を行う必要がある」などの意見が寄せられていた。

 老健、介護療養病床、介護医療院の多床室料の負担導入では、▽在宅サービス利用者との負担の公平性▽すでに多床室料の負担が導入されている特養との施設機能の違い――などの視点から審議された。「老健や医療院は生活の場としての機能だけではなく、医療サービスや在宅支援も提供する施設」「医療療養病床からの医療院への移行にブレーキがかかる」などの指摘を受けていた。

 「被保険者・受給者範囲の拡大」と「現金給付」は他の項目と比べ、比較的に早期に見送る方向性が示されていた。それぞれ、「第2号被保険者の対象年齢の引き下げは、若年層は子育てなどの負担もある」「現金給付は介護負担そのものが軽減されるわけではない。現時点での導入は適当でなく、介護離職ゼロに向けた取り組み推進などが重要」などの反対意見があった。

 同省は12月27日の同部会での審議を踏まえ、意見書のとりまとめを行う。

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