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介護保険・行政中医協 精神病床からの移行先に特養など検討2017年11月16日07時00分

入院患者の半数強が高齢者

 厚生労働省は10月18日の中央社会保険医療協議会総会で、精神病床入院患者の高齢化に伴う地域移行支援について議論。病棟からの地域移行先に特養、老健を追加する案を示した。

 精神病床からの地域移行は現行、「精神科救急入院料1」(新規入院患者の6割以上が3カ月以内に移行)や「精神保健福祉士配置加算」(措置入院患者を除き、1年以内に7割以上が移行)などで評価されているが、移行先となるのは自宅または精神障害者施設。特養、老健が認められるのは、16年診療報酬改定で創設された「地域移行機能強化病棟入院料」のみとなっている。

 精神病床の入院患者は2014年時点で28.9万人。全体の数は減少傾向だが、35歳以上高齢者は15年前の10.9万人から15.7万人へ増加。この間、全体に占める割合は3分の1から半数強と推移している。また、入院期間が3カ月未満の患者は7割以上が自宅へ戻るのに対し、5年以上の患者は1割未満。介護施設、転院・転科、死亡が多くを占める。

 同省はこうした現状を踏まえ、地域移行機能強化病棟以外での移行先に特養、老健を加える案を提示。賛同する声も一定程度あるなか、「移行先の特養、老健で認知症対応等の受け皿がなければ難しいのでは」(今村聡・日本医師会副会長)との指摘もなされた。

措置入院患者の退院支援強化

 また、この日は措置入院患者の退院後支援も論点に。現行の「精神科措置入院診療加算」等では退院後に関する要件が規定されていないことから、入院早期からの退院に向けた取組みや、自治体との連携を推進する医療機関を報酬で評価する案が示された。

 措置入院は、精神障害のために自傷他害の恐れがある障がい者を、精神保健指定医2人の診察等のもと入院するもの。14年の入院患者数は1,503人、平均在院日数は約80日で、ともに年々減少している。

 今回の議論の背景にあるのは、昨年7月に神奈川県相模原市の障がい者支援施設「津久井やまゆり園」で起こった殺傷事件。厚労省は同年、事件の検証と再発防止策に関する報告書を取りまとめている。

 報告書では、退院後に必要な対応として、入院中に帰住先の自治体、入院中の病院、退院後の通院先、障害福祉サービス事業者などの関係者による「調整会議」を開き、それをもとに措置権者である都道府県知事等が退院後支援計画案を作成、退院後は帰住自治体が同計画に沿って支援全体を調整することを位置づけている。

 また、措置入院先の病院には、退院後支援の中心的役割を担う「退院後生活環境相談員」の選任を求めている。

 ただし、同報告書の内容を盛り込んだ改正精神保健福祉法は、9月28日に衆議院が解散したことで廃案に。委員からは報酬での評価について慎重な意見もあがった。

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