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介護保険・行政在宅病病連携の事例展開へ 年度内モデル調査2017年11月17日07時00分

 厚生労働省は来年1月、在宅医療連携モデル構築のための実態調査を行う。複数の医療機関が連携し在宅医療に対応している10~15地域を対象に、業務実態等を把握・データ化する。10月20日の「全国在宅医療会議ワーキンググループ」(座長=新田國夫・全国在宅療養支援診療所連絡会会長)で調査案を提示した。同会議で在宅医療推進の重点分野に掲げた「医療連携・普及啓発モデル構築」の一環。

 調査項目は①連携モデル②医療機関の業務実態③対象地域の基礎情報④医療機関以外との連携状況――の4つ。①では連携構築に至る経緯や、役割分担の基準、患者情報の共有方法などを調査する。また②ではスタッフ体制や、1日・1カ月あたりの訪問診療、往診、看取り、外来件数などを把握する。

 対象地域は市区町村、二次医療圏、郡市区医師会単位等の10~15地域。11月中に地域を選定し、来年1月に調査を行う。集計・分析結果は年度内に報告し、収集データは今後、有効な取組みとして全国へ情報提供する。医療資源など、地域の実情にあわせた連携を横展開していく考えだ。

 構成員からは、地域医師会の関わり方や、連携がうまくいっている具体的なポイントなどを調査項目に盛り込むことなどが、要望にあがった。

 なお、同省によると2016年時点で在宅療養支援診療所がない自治体は、481で全体の3割弱。市に限ると5%と低いが、村だと7割以上にのぼる。

 在宅医療の後方支援病院としての役割が期待される在宅療養支援病院は1239自治体が「ない」とされ、全体の7割以上。村だと97%でほぼ設置されていない。また、訪問看護ステーションがない自治体も全体で約3割、村だと9割近い。

来年4月在宅医療エビデンスを一覧

 また、この日はもう一つの重点分野「在宅医療に関するエビデンスの蓄積」について、長寿医療研究センター(長寿研)、日本老年医学会、日本在宅医学会が主体となり作成を進めている「在宅医療診療ガイドライン」の説明がなされた。

 同ガイドラインは、在宅医療や地域で提供されるその他サービスの有効性を、エビデンスを整理することで明らかにするもの。これまで論文等で示された中から、65歳以上高齢者への在宅サービスに関するものを抽出し、ウェブ上で一覧化する。

 具体的には、認知症や運動器疾患などの「症状・状態」に対する、リハビリ、多職種協働などの「ケア・介入」の効果が検索可能に。既存のものでは「在宅医療の方が一般入院に比べ、認知症の行動障害は少なく、抗精神病薬の使用も少ない」や「亜急性期から慢性期における訪問リハビリは、入院リハビリと比べて生活機能・認知機能・QOL・患者満足度において同等もしくは優れている」などがある。

 ただ、構成員からはエビデンス項目について「在宅では生活満足度が大きく関わる。もっと幅広い視野が必要」(辻哲夫・東京大学高齢社会総合研究機構特任教授)や、「『在宅ありき』ではなく、入院・外来も含めた地域医療の考え方が重要。エビデンスだけが一人歩きしないようにしなければならない」(鈴木邦彦・日本医師会常任理事)との指摘が相次いだ。

 説明を行った長寿研の三浦久幸氏も「現段階では考慮されていないが、病院と在宅との移行期や、安定した療養期から看取りへの移行期を重視したエビデンスの集積が必要になる」と自ら課題をあげた。

 同ガイドラインは外部評価・パブコメを経て来年4月の公開を予定している。

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