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介護保険・行政福岡市 健康先進都市へ「支える福祉」ビジョン2017年1月31日07時00分

 福岡市は昨年10月、医療・介護ニーズが爆発的に増大する2040年社会の到来を見据えたまちづくりのビジョンを有識者の策定会議でまとめた。ビジョンは、団塊の世代が90歳になる40年の福岡市がめざす姿と、実現のための戦略を示し、今後、各行政計画に落とし込むことを想定している。ポイントは、健康先進都市をめざして、これまでの福祉の延長線上ではなく、「配る福祉」から「支える福祉」へ大転換を図る点にある。エビデンスのあるケア実践をめざして、認知症ケア「ユマニチュード」導入、効果測定を始めた。

 30年以降、日本は高齢者が急増する一方で子どもや働く人が大きく減少する社会となり、社会が基盤から変化する時代を迎える。95年から生産年齢人口(15~64歳)の減少社会に転じた日本で、その後も増加を続けてきた福岡市も15年の100.2万人をピークに減少が始まった。年少人口は、全国ベースでは80年から減少となったが、福岡市では20年の20.4万人をピークに減少が始まると予測。一方、総人口に占める高齢者の割合は、40年には全国で36.1%、福岡市で31.0%になり、医療ニーズ・介護ニーズの激増に供給体制が追いつかず、居場所を喪失した介護難民が続出するとみられる。

 こうした事態を回避するために、福岡市のビジョンは、働き方や地域とのかかわり、最期の迎え方など市民一人ひとりの意識の変革(市民の覚悟)、社会の仕組みの変更(失敗をおそれない挑戦)、超高齢社会対応のまちづくりを進めていく視点をもつこと。健康維持の促進を図り、支えられる側から支える側に回ることで、医療・介護ニーズを1.5分の1に縮小し、サービス供給量を1.5倍に拡大することをめざす。

 40年に向けた戦略のキーワードは、①市民の自立(健康・生活・経済・終末期)②わかちあい(つながりを強める)③地域ケア・包括ケア(フレキシブルで効率的なケア)④テクノロジーの活用(ICT・RTの度合いを高める)⑤グローバル化(アクティブ・エイジング・シティFukuoka)の5つ。

0112fukuoka.JPG 「いまのままでは、福岡市の介護保険料は40年に1万円に達する。40年ビジョンの策定は、活力のある間に取り組むことが必要だったからだ」と、平田俊浩高齢社会政策課長は説明する。ビジョン策定に当たっては、エビデンスに基づくこと、一律のルールではなく多様性を尊重すること、複合的課題に対してタテ割りではなく情報、担い手、財源を統合して対処することを求めた。

 40年の福岡市は、自立意識の向上の中で、民間との共創やICTの活用などによって、まちの中に健康志向が組み込まれた「自然に健康になれる街」をめざす。そこでは、一人ひとり、本人中心の情報サービスの統合、ICT活用によるかかりつけ医機能の強化、認知症や負担軽減に向けた介護ケアの科学化と在宅への実践、ウェアラブル端末などケアテクノロジーベンチャーの拠点、多世代住民協働型コミュニティの創設、介護リーダー人材養成のアジアのハブ化が目標となる。

ユマニチュード試行検証

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 福岡市は、フランスで開発された、認知症の人へのコミュニケーションケア技法「ユマニチュード」を、病院・介護施設5カ所や家族介護者向けに試行導入し、効果測定を開始した。「不可避のテーマである認知症ケアに、技法が体系化されてフランスでの効果がみられると判定されたユマニチュードを、ケアの共有をめざして施設や在宅で導入し、効果を検証する」(健康先進都市推進担当の中尾聡志課長)。職員(最大150人)や家族介護者(1回最大70人×8回)を対象に研修し、3カ月間実践した後にアンケート調査により効果判定を行う。研究は、東京医療センターの本田美和子総合内科医が当たる。

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