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介護保険・行政レビュー2016 人材確保の切札?技能実習で外国人受入れへ2016年12月28日07時10分

 来年から外国人介護人材の受け入れ窓口が広がる。EPA(経済連携協定)に加え、外国人技能実習制度での受け入れが可能となるためだ。11月18日に「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案」の改正案が今国会で成立。交付から1年以内に施行され、技能実習制度の受け入れ対象種目に「介護」が加わる。

 在留資格に「介護」を追加する改正入管難民法の成立とともに、介護現場での外国人人材活用にもう一歩踏み出した格好だ。

 業界最大手のニチイ学館も、中国の子会社から数百名規模を技能実習生として受け入れることを見込んでおり、「人材不足に大きく貢献する」と期待を寄せる。しかし、同制度では入国時から一定の日本語能力を求める介護分野固有の受け入れ要件も定められるほか、介護報酬上の人員基準の扱いも明らかになっていない。全体での受け入れ規模はまだ見通せない状況だ。淑徳大学の結城康博教授は、「外国人介護士の受け入れそのものに反対はしないが、効果は限定的で人材不足の切り札にはなりえない。今後も日本人介護士を増やす必要があることに変わりはなく、公費を投じて待遇改善などの施策を続ける必要がある」と否定的な見方を示している。

介護実習生には入国時から日本語要件も

1208ginou.jpg これまで技能実習制度は途上国への技能移転という本来の目的からかけ離れた、「安価な労働力を確保する手段」として利用されるケースも多いと批判の声があがっていた。今回の改正では、受け入れ先の管理団体・実習実施者の立ち入り調査や実習生の相談窓口などを担う「外国人技能実習機構」の新設、管理団体の許可制、実習実施者の届け出制導入などを柱に制度の適正化を図る。パスポートを取り上げるなどの人権侵害行為への罰則も設けている。一方で、これまで最長3年だった実習期間を優良な実習実施者には5年に延長できる拡充策も盛り込まれた。

 技能実習制度に介護分野を追加することは、介護が単純な肉体労働とみられることによる、介護職員の処遇悪化やサービスの質低下などの指摘がある。厚生労働省の「外国人介護人材受け入れの在り方検討会」では、そうした懸念を踏まえ、昨年2月の中間まとめで介護分野の要件の骨子を示した(表)。特徴的なのは、実習生に一定以上の日本語能力を求めること。入国時には日本語能力試験の「N4」、実習2年目に進むためには「N3」レベルの習得が必要となる。同制度で日本語能力を要件に課すのは介護分野以外にはない。対人サービスの介護では、利用者・家族、同僚職員との日本語によるコミュニケーションは必須だ。厚生労働省によると、EPA介護福祉士候補者の受け入れ施設の87%が、外国人介護士に求められる日本語能力として「N3」以上を求めている。

EPA介護福祉士は訪問サービスも従事可能に

 また来年度から、EPAの枠組みで介護福祉士として就労する外国人介護士が訪問系サービスに従事できるようになる。これまでEPA介護福祉士は、利用者と一対一になる訪問系サービスに就くことはできなかった。今後、厚生労働省からガイドラインが発出され、日本の生活様式などの研修実施や緊急時のマニュアル整備など、EPA介護福祉士が訪問系サービスに従事するために、受け入れ施設に実施を求める内容が示される予定だ。

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