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介護保険・行政所得に応じた利用者負担 拡大検討2016年11月15日07時00分

「軽度者の負担増」 は反対続出

 厚生労働省は10月19日に社会保障審議会介護保険部会(部会長=遠藤久夫・学習院大学教授)を開き、利用者負担、費用負担のあり方について議論を行った。利用負担割合、高額介護サービス費は所得に応じた引上げを検討。委員からは制度の持続可能性の観点から「やむを得ない」との意見が多くあがった。

 利用者負担、費用負担は8月に続き2巡目の議論。利用者負担は、高齢化の進展に伴い保険料の上昇が見込まれるなか、世代間・内の公平性を確保しつつ制度の持続可能性を高める観点から、そのあり方について検討されている。

 具体的には①サービスの利用負担割合②高額介護サービス費の負担上限③補足給付の不動産勘案――がテーマ。①については、前回の議論で負担能力に応じた負担(応能負担)にすべきとの意見が出たことを受け、同省が改めて論点に明示した。

 委員からは「制度の持続可能性を考えれば、負担増はやむを得ない」とする意見が、前回部会より多くを占めた。反対意見としては「応能負担は介護保険料で導入されており、二重の負担増となる。同じサービスを受けるのに負担が異なるのはおかしい」(齊藤秀樹・全国老人クラブ連合会常務理事)、負担増で利用控えが起きると、家族の介護負担が大きくなることから「介護離職ゼロの政策と逆行する」(伊藤彰久・日本労働組合総連合会総合政策局生活福祉局長)などがあがった。

 既に昨年8月からは、合計所得金額160万円(年金収入のみは280万円)以上の利用者へ2割負担を実施。16年2月実績で在宅サービス利用者の9.7%が該当している。今後見直しを行う場合、負担割合と対象者の所得要件が焦点となるが、この日の部会で具体案は示されなかった。

 また、軽度者の利用負担の引上げについてはほとんどの委員が反対。サービスの利用控え、また自立支援・リハビリの意欲が削がれ、重度化を招くことになりかねないとの理由が主な意見だった。

 ②の高額介護サービス費についても利用負担同様、所得に応じた上限の引上げが妥当との声が多く、引上げ案については医療保険の高額療養費と同額にし、整合性をとるべきとの意見が中心となっている。

 高額介護サービス費の負担上限額は、課税所得145万円以上の「現役並み所得者」が4万4,400円、続く「課税世帯」が3万7,200円。医療保険の高額療養費の場合、介護保険の課税世帯にあたる「一般」は4万4,400円となっており、7200円の差がある。

 なお現在、高額療養費の見直しについても医療保険部会で検討されており、70歳以上の現役並み所得者を現役世代同様、多段階に分けるかどうかの論点が示されている。これを踏まえ、「高額療養費の決定に沿って高額介護サービス費も同時に引上げるべき」(井上隆・日本経済団体連合会常務理事)との意見も出た。

 一方、「要介護者の多くは医療と介護の両方を受け、保険外の食費・居住費も負担している」(花俣ふみ代・認知症の人と家族の会常任理事)と引上げにあたって慎重な検討を求める意見や、「短期的な治癒を目的とする医療と比べ、介護は長期にわたる給付で性質が異なる。整合性をはかるという考え方そのものがおかしい」(陶山浩三・UAゼンセン日本介護クラフトユニオン会長)との指摘もあった。

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