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介護保険・行政医療制度改革の現状 かかりつけ医普及へ外来負担も2016年10月25日07時00分

 政府は昨年12月に「経済・財政再生計画改革工程表」を発出し、介護と同様、医療についても2018年の同時改定、そして25年に向けた改革プランを示した。病床機能再編、在宅医療の充実等を含めた地域包括ケアシステム、重症化予防、負担・給付のあり方などが主な改革の柱。それぞれ関係審議会等で議論を進めている。

入院・病床機能地域医療構想の早期策定を

 政府は昨年度、25年時点の病床数を現在より20万床程度削減する目標を掲げた。特に急性期の7対1病棟は36万床から18万床へ半減する方針。既に14年診療報酬改定では同病棟の算定要件に新たに在宅復帰率75%を設定し、16年改定ではこれをさらに80%へ引上げた。

 あわせて、16年改定では「重症度、医療・看護必要度」を満たす患者割合の要件も15%から25%へ引上げるなど、算定のハードルを着々と高くしている(表)。改定前の要件で算定できていた経過措置も9月末で終了となった。

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 同工程表では、病床機能の分化・強化のため、16年度末までに地域医療構想を前倒しで策定、17年度よりそれに基づく病床再編を推進することとしている。

 地域医療構想は、25年時点での高度急性期・急性期・回復期・慢性期の4機能ごとの医療需要と病床必要数を都道府県が定めるもの。14年度医療法改正で創設された「病床機能報告制度」に基づき医療機関が病床機能を報告、都道府県が分析・推計を行う。

 厚労省は今年9月に医療機関向けに病床機能報告のマニュアルを策定。10月より報告受付を開始した。なお、15年7月1日時点での病床機能の状況は、高度急性期13.6%、急性期47.6%、回復期10.4%、慢性期28.4%となっている。

 あわせて都道府県は、地域医療構想が実現した場合の医療費等を盛り込んだ「医療費適化計画」を、本来の17年度末からできる限り前倒しで策定することも明記。都道府県別の医療費差の半減をめざすとしている。

療養病床受け皿に「居住」備えた新類型も

 また、17年度末で廃止が予定されている介護療養病床等の転換等については、16年末までに結論を出し、必要に応じて17年度通常国会へ法案提出も行う予定。同省は今年1月に「療養病床・慢性期医療のあり方の検討に向けて~サービス提供体制の新たな選択肢の整理案について~」をとりまとめ、転換先として新たに「医療内包型」「医療外付型」の2類型イメージを示している。

 内包型は医師や看護師を配置した医療提供施設で、さらに医療・介護の必要度が比較的高く急変対応が可能なものと、容体が比較的安定している人向けのものとに分類。また、外付型は医療機関と居住空間を併設し、医療や看護を併設医療機関より提供する。いずれの類型も長期利用に対応する住まいの機能を位置づけ、プライバシーの尊重や家族などと交流可能な環境整備も必要としている。日常的な医学管理や看取り・ターミナルケア体制も備える。

 現在は同省の特別部会で新類型導入の是非や医療・介護保険のいずれに位置付けられるかなどについて検討を行っている。

在宅・地域包括ケアかかりつけ医の普及

 病床数削減の受け皿となるのが在宅医療、介護サービスの充実。同工程表では、在宅医療のキーマンとなる「かかりつけ医」の普及に向けた診療報酬上の対応や、外来時に定額負担について検討を進めるとしている。

 既に16年診療報酬改定では、主治医が服薬管理や介護保険に係る対応、在宅医療や24時間対応も担う「地域包括診療料」について、常勤医師の配置を3人から2人へ緩和。また、複数疾患を有する認知症患者への主治医機能を評価する「認知症地域包括診療料」を新設するなど、普及策がはかられている。

 同時に、外来機能の分化として、診療所等の紹介状なしでの大病院受診における患者負担を導入。初診5,000円(歯科3,000円)以上がかかる。現在は、かかりつけ医以外の受診に対する定額負担の導入も検討中。年末までに結論を出す。

患者負担高額療養費見直しに賛否

 負担・給付のあり方に関しては、高額療養費制度の見直し内容を年末までにまとめる。論点となっているのは、70歳以上の現役並み所得者の負担上限の引上げ。9月29日の医療保険部会では保険者を中心に賛成、医療者を中心に反対と意見が分かれた。現役世代については、15年1月に負担上限を細分化したことから、今回は見直しを行わない方向となっている。

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