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介護保険・行政島根県出雲市の介護保険 過疎の課題 医介連携で対処2016年10月25日07時05分

 島根県出雲市(17.5万人)の面積624㎢は、東京23区(980万人)に匹敵し、中心部を除くと、農村や中山間、海岸部が多くを占め、介護サービスの充実が課題になっている。送迎時間が30分を超えるエリアも多く、訪問看護ステーションへの支援として移動時間が30分以上の交通費を助成(1回500円)する県の事業が行われている。

 出雲市内に島根大学医学部付属病院(700床)と県立中央病院(600床)があり、その関係から中央部には開業医が多く、人口10万人あたりの診療所数は全国有数だ。しかし周辺部は逆に医師不足が顕著になっている。

 介護保険制度以前から、中学校区ごとに社会福祉協議会の活動が展開し、在宅サービスの基盤をつくってきた。現在、市内の主な介護保険事業所は、訪問介護44、通所介護81、福祉用具レンタル18、訪問看護16、認知症グループホーム35。 島根県介護支援専門員協会(藤原伸二理事長)にある8エリアのひとつ、出雲介護支援専門員協会(諸井望会長)では、地域医師会や率先的な医師などと協力して、2カ月ごとの事例検討会開催やケアマネジメントマニュアルづくりに取り組んできた。

 「医師会の中には、在宅療養懇話会などがあり、医療と介護の連携を進めようとする意欲をもった医師が多く、ありがたい」と、出雲市の金築真志高齢者福祉課長。今年4月には、認知症対策や地域の集住化など幅広いテーマを所管する医療介護連携課(森口修三課長)が新設された。

1005izumo2.jpg 出雲地域では、しまね医療情報ネットワーク(理事長・秦正島根県医師会副会長)、通称「まめネット」が積極的に運用されている。まめネットは患者情報を医療・介護で相互に共有し、連携するためのサービスで、16年8月末現在、県内の登録施設数は770件、カード発行枚数は3万枚を超えている。

 まめネットによって、医療機関や介護事業所どうしの緊密なコミュニケーションが可能になり、紹介状のやりとりや紹介後の経過など医療・介護情報を共有することが可能になるとともに、病院・診療所や介護事業所の業務効率が図られる。これまでのアナログ的な「連絡ノート」のデジタル化をめざす県もモデル事業が昨年から出雲市で行われ、ヘルパーがタブレットを携帯し伝送を行っている。

 市内には居宅介護支援事業所が70数カ所ある。「ケアマネジャー有資格者は400~500人だが、人材不足で、1人ケアマネジャーが増えており、制度や医療などについて相談する人が周りにいないケースが多い。一方、家族の介護力が低下し、以前に比べて在宅介護がぎりぎりという利用者・家族が増えた。ただ、おむつの性能が上がったことも要因か、夜間帯のヘルパーニーズが減っている。サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームが増えてきたという背景もあるだろう」(金築課長)。

 市では、小規模多機能型居宅介護事業所が市内16圏域中の15圏域にあり、在宅介護力を高め、対応を図っている。 しかし、日々の買い物に30分以上を要する生活環境困難な、中山間などの過疎エリアでは1人暮らしの人が点在し、「生活支援のためにバス路線を、追い銭して維持するが、限界が近い」(金築課長)。意欲的な医師や事業者が多いが、住まいでの山道の草刈りができないなど生活の継続が厳しくなっている。住民に対して体力のある間に、町中のサ高住などへ移り住むことなどを検討する時期に来ているようだ。

力量のバラツキ正す「ケアマネマニュアル」 作成

1005izumo.jpg 2年前から出雲協会(会員160人)の会長を務める諸井望さん(39歳)は、出雲地域のネットワークの充実を評価する。地域の医師会などの活動や行政からの支援とともに、研修交流団体「フーリングいずも」(井上明夫代表)やNPOターミナル・難病・重度障害いずも在宅支援ネットワーク(松井由紀理事長)が、地域のつながりの基盤になってきたという。

 ケアマネジャーの力量は経験不足や教育の違いからばらつきが大きく、ケアマネ協会としてはこの課題への対処が必要だった。そこで、これを見れば基本が分かるというケアマネの質を担保する「出雲版ケアマネマニュアル」がつくられた。

 「副題は、『先輩ケアマネの知恵袋』。制度の基本や担当者会議でのポイント、医療機関との連携など、ケアマネジャーが実務で当たる課題に先輩ケアマネが答えるイメージでつくった。私はiPhoneに入れて使っている」と諸井さん。

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