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介護保険・行政香川県高松市 大西秀人市長 インタビュー(1)2012年2月 7日14時00分

低所得者対策は国の責任で 

 4月の介護報酬改定率が1.2%アップに決定した。介護保険部会では1号被保険料の上昇を抑えるためにいくつかの案が提案されたが、ほとんどが見送られそうな気配だ。現在全国平均で4160円の1号被保険料が5000円を越えることは避けられそうになく、保険者にとっては保険料の上昇をどう市民に理解してもらうかが大きな悩みと言える。全国市長会介護保険対策特別委員会委員長で、介護保険給付費分科会委員の高松市大西秀人市長に、介護保険改正と報酬改定について保険者サイドの意見を聞いた。

 

自治体への影響が大きい地域区分の見直し

 

――昨年地域主権一括法が成立した。

大西 地方のことは地方が決めるという地方分権推進という趣旨には賛成であり、自治体にとってはプラス材料だ。例えば保育所の場合、人員や面積は国の基準に従わなければならないが、教育内容については地方の実態に合うように裁量が委ねられた。

 地方分権一括法に関しては特別養護老人ホームの入居定員が「参酌すべき基準」とされたにもかかわらず、個室以外は減算との案が示された。国は個室を推進したいが、自治体ごとに多床室に対する考え方は異なるだろう。入居者の中にも個室に1人ポツンと入れられるより、多床室でにぎやかな方が良いと思っている人もいる。国の方針が個室だから多床室に対してペナルティ的に減額するという発想は認めにくい。ただ個室の方が維持費が高くつくのは事実。個室のコストが高いので多床室より報酬を高くするという理屈ならば筋が通るだろう。

 介護保険は地方自治の試金石といわれながら現実には法律にしばられ、自治体の裁量権は狭い。地方分権一括法で自治体がどのような部分で裁量権を行使できるのか、今はまだ調査の段階にある。

――地域区分の見直しも自治体に大きな影響を与えそうだ。

大西 介護保険開始から12年が経過し、見直す必要性は感じていた。国家公務員の地域手当を参考にしたことに賛否両論あろうが、それに代わる誰もが納得する指標はなく、仕方がないだろう。確かに上乗せ割合が変更される地区の影響は小さくない。減少地区は保険者の財政は楽になるが、事業者の経営は厳しくなるし、アップした地区はその分保険料に跳ね返ってくる。高松市も「その他地区」から「乙地」(3%)となり、その分保険料を上げざるを得ない。変更される地区は国に意見を述べる機会が与えられたが、経過措置等で配慮を望みたい。

(2)につづく

<シルバー産業新聞 2012年1月10日号>

プロフィール

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全国市長会介護保険対策特別委員会 委員長

介護保険給付費分科会委員

香川県高松市長 大西 秀人 氏

 

 1959年生まれ。82年東京大学法学部卒業し、自治省入省。95年北海道財政課長、97年同地域振興室長。99年自治省税務局税務企画官。00年島根県総務部長などを歴任し、06年11月総務省情報通信政策局地域放送課長を最後に総務省退職。07年5月高松市長就任(現在2期目)。全国市長会副会長、財団法人日本都市センター理事長、中核市市長会副会。

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