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介護保険・行政十島村の介護保険2018 看取りマニュアルづくり2018年10月 4日09時20分

「島で生活続ける」支援

 鹿児島の200㎞沖に、南北162㎞に渡って連なる7つの有人島をもつ鹿児島県十島村(人口692人、高齢化率29.6%)。2012年12月、島での看取りを支援するマニュアルをまとめ、このほどその改訂を行った。Iターン、Uターンにより人口減少に歯止めがかかる中で、介護が必要になっても「島で生活をしたい」「島に帰りたい」との思いの実現につながる取組みだ。外洋離島で在宅見取りに取組む。

 島内の介護保険サービスは、開設6年目になる小規模多機能型居宅介護「たから」(利用者3人)と、福祉用具レンタル(同9人)のみ。病気や介護が必要になると、島民は鹿児島市内などの病院や施設・サービスを使うようになる。

 12年に村が中心になり保健所やへき地拠点病院・診療所、警察などで「看取りの在り方検討会」を開催し、島内で高齢者の看取りの手順を書いたマニュアルを作成した。前年の11年1月、「島の土になりたい」と希望した93歳の女性が宝島の自宅で亡くなったが、巡回医や島の診療所常駐の看護師が健康状態を把握したにも関わらず、異状死として検視になったことがきっかけだった。

 マニュアルには、患者本人が在宅死を希望し、家族が容認していることや、看護師の訪問や巡回診療時の往診ができることなど6つの条件を示し、死亡時の対応についてフローチャートを作成した。各島に火葬場がなく、島で死亡したときは遺体を本土に搬送し火葬した後、遺骨を島に運ぶという手順もある。

 07年~12年の6年間、島民の死亡場所は病院49人、介護施設2人、自宅4人(急死や検案例で看取りはない)、その他1人。マニュアルができ、これに基づいて実施した看取りは5例あった。がん末期4人のうち、退院後最期まで在宅、短期入院退院後に船内で死亡、在宅療養後死亡前に鹿児島市内病院に入院2人と、2泊3日の帰島を実現し1カ月後死亡した人工透析が必要だった人。

0906toshima.jpg 十島村には、保健師3人と、看護師9人が勤務し、各島の診療所に常勤の看護師が1人配置されている。看取りになると、本人・家族への直接的な支援や関係機関や近隣住民との調整役を担う看護師の負担が大きいため、「終末期を迎えた人がいる場合には、看護師を2人体制にしたことは役立った」と、保健師20年の本砥貴子さん。

 医師は、中之島に常駐医1人、急患発生時にはヘリコプターで専門医療機関に搬送する。

 「定住政策が効を奏し、IターンやUターンが増えて、人口減少が止まり、増加傾向にある。介護が必要になっても島内で最期まで生活していたいという住民の思いを実現するため、テレビ電話を使った地域ケア会議、生活コーディネーターの配置、高齢者の見守り支援員による声かけ(訪問型サービスB型)、サロン活動(通所型サービスB型)、各島の介護予防拠点施設など、連携を図りながら進めている」(本砥さん)

介護保険の現状

 十島村の要介護(要支援)認定者数は44人(認定率20.7%)。17年度の介護保険利用者は居宅サービス18人、地域密着型5人、施設サービス7人。介護給付費は4,685万円。第7 期保険料5,600円。9割は島外のサービス利用。

 宝島にある小規模多機能型居宅介護「たから」(浪漫・黒岩尚文社長)は相当サービス(看護師配置と管理者要件がない)で実施、村から「生活基盤整備事業」委託(年間1,700万円)など支援を受ける。利用者3人は同島在住で、他島からの利用者はない。「宝島は、わずか人口100人の小さな島。ここにも住み慣れたこの島で、最期まで暮らし続けたいという高齢者の方がいる。共に暮らし、島の高齢者の人生物語に参加し、あなたのいきがいをこの島で見つけてみよう」(同事業所HP)。

 島内の在宅サービスは、福祉用具レンタル(カクイックスウィング・岩元文雄社長)の9人の利用者だけで、同社の鹿児島市内や奄美大島の営業所がサービスを提供する。

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