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介護保険・行政福祉用具貸与費用額 過去最高月額191億円2012年9月18日19時47分

 国民健康保険中央会が発表したデータによると、福祉用具貸与の今年4月サービス分の費用額は191.1億円で過去最高となった。3月までの2011年度年間では2215.6億円で、こちらも過去最高を記録した。今後の社会保障制度のあり方や財源確保の観点などから、介護給付の効率化・重点化を図る方向性も打ち出されている中、在宅介護の実現・継続のために、福祉用具サービスが果たしている役割を、福祉用具貸与の給付データから検証する。

 今年4月サービス分で費用額が最高値を記録した福祉用具貸与。直近の要介護度別の内訳は、厚生労働省の発表値で今年4月審査分(3月サービス分)が出ている。最も受給者数の多い要介護2が44億7000万円、次いで要介護4が40億5200億円などの順。構成比で見ると、要介護2が23.4%で最も高く、要介護2~5で全体の85.5%を占めている。

給付は要介護2中心へシフト

 06年度制度見直しで導入された軽度者(要支援~要介護1)への給付制限により、一時は124.9億円(06年2月)まで落ち込んだサービス利用は、メイン対象者をそれまでの要介護1から、要介護2を中心とした中重度者へシフトすることで、ゆっくりと数字を回復させてきた。年間費用額も10年度に2000億円を突破している。

 軽度者給付制限本格実施前の06年5月審査分では、福祉用具貸与の受給者の31.4%が要介護1だったのに対し、見直し後の07年4月審査分では、その中心は要介護2~3に移った。直近の今年4月審査分では、要介護2の受給が最も多く構成比は25.4%となっている。

 一方で、給付制限により利用が大きく減った軽度者だが、直近の受給者数の構成比率は要介護1で13.4%と、給付制限直後と比べるとやや上がってきている。10年10月には厚労省から、要支援~要介護1の末期がん患者で、状態が急速に悪化し短期間に起き上がりや寝返りが困難となることが確実な者へは、市町村の判断で貸与給付を認める事務連絡が出された。この際、医師の医学的所見の確認方法を一部簡略化したこともあり、これをきっかけに保険者が、がん患者以外の例外給付の必要性についても再認識したことも考えられる。

1人あたり費用は平均1.5万円キープ

 福祉用具貸与の1人あたり費用額は今年4月審査分で、要支援者は平均6300円、要介護者は平均1万5000円。要介護2は1万2600円で、同介護度の居宅サービス1人あたり費用額10万1000円に対し、12.5%にすぎない。

 福祉用具貸与の1人あたり費用額は、サービス利用の伸びに関わらず、他の居宅系サービスに比べると、その伸びは小さい状態で推移している。06年から12年までの各年4月審査分で、訪問介護、通所介護、福祉用具貸与の受給者1人あたり費用額を要介護1~5の平均額でみた。すると、訪問介護は06年5万1600円、12年には6万7500円、通所介護は6万6800円が8万7900円に増えた。一方福祉用具貸与は、07~09年で1万5600円だった以降は毎年下がり、12年は06年と同額の1万5000円まで下がっており、サービス価格水準がこの5年間維持されていることがわかる。福祉用具貸与は、そのサービス効果を考えると、財政的にも在宅介護の優等生といえよう。

ベッドと付属品で平均1.2万円

 福祉用具貸与の給付1件あたりの品目別平均費用額を、各年4月審査分で算出した。すると、最も利用が多い特殊寝台と同付属品を合わせた額は06年で平均1万2829円だったが、その数字は毎年下がり、今年は1万1758円となっている。次いで多い車いすと同付属品の合計も、1万757円から9470円となっている。全国各地へ事業所間での価格競争が波及する中、過当競争に陥ってサービスの質を下げることは避けなければならないが、企業努力により福祉用具サービスの利用者負担軽減が実現されているという状況もある。

より個別対応進めるサービスへ

 強い在宅志向を打ち出した、今年度の介護保険制度改正。要介護高齢者が住み慣れた自宅や地域で生活を継続するためには、加齢や障がいで低下した本人の生活機能を補うとともに、残存機能を活かしつつ生活機能の維持、ひいては要介護度の維持につながるような、各種居宅系サービス、地域密着型サービスを適切に活用することの重要性が増している。

 中でも、在宅介護の元祖24時間サービス、福祉用具サービスは、今年度からの同サービス計画書導入によって、より本人の心身状況や住環境、家庭状況など、様々な個々の状況に応じた支援方針に基づき、用具が選定され安全・適切に活用されるよう、各事業者で取り組みが進められようとしている。

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