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介護保険・行政16年度診療報酬▲0.84% 本体+0.49%、薬価▲1.22%2016年1月14日08時05分

 塩崎恭久厚労相は12月21日、2016年度診療報酬の改定率を0.84%引き下げることを発表した。本体報酬はプラス0.49%、薬価は市場実勢価格に基づきマイナス1.22%。改定の「基本方針」では地域包括ケアの推進へ医療機能の分化・強化を重点課題に掲げ、在宅復帰のさらなる強化やそれに伴う看護・リハビリの継続性、かかりつけ機能を評価している。

 診療報酬全体の改定率マイナス0.84%のうち、技術・サービスを評価する本体報酬はプラス0.49%。国費ベースで500億円程度となる。一方、薬価はマイナス1.22%で国費1,200億円減、材料価格はマイナス0.11%。

 前回の14年度改定は全体でプラス0.1%だったが、消費税率8%に伴う課税仕入れコスト増への対応分としてプラス1.36%が含まれており、実質はマイナス1.26%。連続のマイナス改定となった。

 個別の診療報酬項目の点数設定や算定条件等については、12月7日に同省が策定した「平成28年診療報酬改定度の基本方針」に基づき、中央社会保険医療協議会(中医協)で審議が行われる。

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医療機能分化・かかりつけを評価

 社会保障審議会医療保険部会・医療部会の議論を経て策定された「基本方針」には、「基本的視点」と「具体的方向性」が盛り込まれている。

 基本的視点の柱は①地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携②患者が安心・安全で納得できる効果的・効率的で質が高い医療③重点的な対応が求められる医療分野の充実④効率化・適正化を通じて制度の持続可能性を高めること――の4つ。

 なかでも重点課題に位置づけた①では、急性期・回復期・慢性期などの状態に応じて質の高い医療を受けるとともに、必要に応じた介護サービスとの連携を明記。具体的方向性に▽医療機能に応じた入院医療の評価▽地域医療介護総合確保基金を活用した医療従事者の確保・養成、および多職種のチーム医療と業務効率化による医療従事者の負担軽減▽複数の慢性疾患患者に対するかかりつけ医・歯科医・薬剤師を評価▽質の高い在宅医療・訪問看護の確保▽大病院・中小病院・診療所の機能分化、診療所による複数慢性疾患患者への継続的な医療を評価――をあげた。

急性期は厳格化 訪看は拡大

 このうち入院医療の評価に関しては、既に中医協で急性期病棟の要件見直し等が議論されている。

 急性期病棟は14年度改定で「在宅復帰率75%」を課すなど、早期退院・在宅復帰促進と病床数の絞り込みが掲げられた。病床数は14年3月の38万400床から15年10月の36万9,700床へと微減しているが、25年の目標数18万床に対する進捗は低い。

 これを受け同省は、今改定でさらに絞り込みを強化する考え。論点として▽平均在院日数の短縮▽重症度、医療・看護必要度の見直し▽在宅復帰率の要件厳格化――をあげている。

 また訪問看護についても、14年度改定で創設された機能強化型訪問看護ステーション(強化型ST)の要件緩和や、病院・診療所からの訪問看護を評価する点などが、同様に中医協で議論されている。

 強化型STは訪問看護の大規模化・多機能化を実現したもの。療養費1だと▽常勤看護職員7人以上▽24時間体制▽看取り年20回以上▽居宅介護支援事業所併設――などを要件とする。事業所数は15年9月時点で308、届出がない県が6県ある。

 ネックになっているのが人員基準と看取り件数。このうち、看取りについては現行、病院と訪問看護が協働で実施した場合、病院に「在宅がん医療総合診療料」が算定されるが、訪問看護にはターミナル療養費・加算は算定されない。同省は改定の論点として、これを看取り件数に含める案を提示している。

 また、在宅療養支援の強化に関しては、退院後の療養継続性の面において病院・診療所からの訪問看護を評価する。医療保険における訪問看護のうち、病院・診療所からの提供は約4分の1にとどまっており、在宅医療ニーズの増大への量的対応もはかる。

 なお、介護保険においては既に、15年度報酬改定で病院・診療所からの訪問看護が引き上げられている。

ICT活用・リハ連携で質の高い医療

 基本的視点②の質が高い医療については、第三者評価やアウトカム評価を基本的視点に位置づけ。具体的方向性では、ここでもかかりつけ機能を評価している。加えて、情報通信技術(ICT)を用いた医療データの収集・利活用や、アウトカムに着目した質の高いリハビリテーションによる患者の早期機能回復を推進するとした。

 なお、リハビリに関しては、16年度より要介護者が入院中以外で行う維持期のリハビリについては、原則として脳血管疾患等または運動器リハビリを医療保険の算定対象外とし、介護保険へ移行することが14年度改定で決定している。医学的判断により治療継続での改善が期待できる場合、また摂食機能療法など他のリハビリを実施している場合は引き続き医療保険で算定可。

 これについて中医協では現在、介護保険リハビリの紹介・見学・体験等を提案する医療機関を評価し、その上で医療・介護保険のリハビリ併用を認める案が提示されている。標準的算定日数(脳血管疾患等180日、運動器150日)の3分の1が経過する日までを目安に、医師が心身機能の予後見通しを説明し、将来介護保険でのリハビリが必要と考えられる場合にケアマネジャーと協働して行うもの。介護保険リハビリへの円滑な移行をめざしている。

 また、③の重点的な対応では、死因に多いがんや心疾患、肺炎、脳卒中に加え、今後増加が見込まれる認知症や救急医療への対応を評価。対象分野を▽緩和ケアを含む質の高いがん医療▽認知症▽地域移行・地域生活支援の充実を含めた質の高い精神医療▽難病患者▽小児医療、周産期医療、高齢者増を踏まえた救急医療▽口腔疾患の重症化予防や口腔機能低下への対応など生活の質に配慮した歯科医療▽かかりつけ薬剤師・薬局による薬学管理や在宅医療等▽医薬品、医療機器、検査等におけるイノベーションや医療技術――としている。

 ④の効率化・適正化では、主に薬局・調剤に関する適正化を提示。後発医薬品の使用を促進すると共に、価格適正化に向けた算定ルールを見直し、現行の長期収載品の価格引下げルールの要件も見直す。また、かかりつけ機能を発揮できていない門前薬局も適正化。その他、残薬や重複投薬、不適切な多剤・長期投薬の削減も推進する。

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