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介護保険・行政どう変わる?情報公表制度 10月1日から新システム運用2012年10月17日17時41分

 利用者が事業者を選択する際に役立つ情報を、都道府県がインターネット上で公表する「介護サービス情報の公表制度」。06年から介護保険のサブシステムとしてスタートしたが、今年度から大幅に見直されることになった。具体的にどう変わるのか、厚生労働省の担当者に詳しく聞いた。

 介護サービス情報の公表制度は、利用者が介護サービスや事業所、施設を適切に選ぶための情報を都道府県が提供する仕組み。現時点で全国約24万カ所の事業所情報が公表されている。

 公表されている情報は、事業所の所在地や利用料などの情報を扱う①基本情報項目と、事業運営や管理体制などを問う②運営情報項目の2つからなる。制度は介護保険法の改正にもとづき、06年からスタートしたが、これまでに「画面が見づらい」「操作方法が難しい」という声や、事業者からも「調査や手数料負担が重い」などの指摘があり、一昨年11月に社会保障審議会介護保険部会がまとめた「介護保険制度の見直しに関する意見」の中で、「利用者にとって活用しやすいものとなるよう、検索機能や画面表示などを工夫するとともに、調査については、都道府県知事が必要と認める場合に、適切に実施するなど、事務負担の軽減を図り、手数料によらずに運営できる制度へと変更すべきである」との提言がなされた。

 それを受け、今年4月からの介護保険法改正では、調査方法と公表システムの大きく2つの見直しを行っている。

 調査方法の見直しでは、これまでの「年1回の調査義務」から、「都道府県知事が必要と認める場合に実施」に改められた。ただし、国会審議で、調査が任意となった場合でも、公表されている情報の正確さを確保するため、最低限必要な調査を実施する旨の付帯決議がなされている。

 付帯決議というのは、法的拘束力はないが、最大限尊重しなければならない。そこで、国として今年3月に調査に関するガイドラインを作成し、これを都道府県に通知した。

 都道府県はこのガイドラインを参考に、自分の県の調査をどういう方針で行うのか、調査指針を策定することになっている。

シンプルな画面に見直し

 一方、公表システムの見直しでは、「見やすい」「使いやすい」「わかりやすい」をコンセプトに、利用者の目線に立ち、選択を支援できるようシステムの構築を心掛けた。

 これまでの公表システムの課題は主に①画面が見づらい、分かりにくい②操作方法が難しい③事業所の特色が分からない――の3つが指摘されている。

 ①「画面が見づらい、わかりにくい」という課題には、画面に表示される情報量を最小限に抑え全体を通して「シンプル」な画面に見直した。(図1)

 現行では、一つの画面にすべての情報が羅列表示されていて、縦に長い画面になっていた。そのため、必要な情報が探しにくく、印刷すると相当な枚数になる場合もあった。

 そこで、基本情報を「事業所の概要」「事業所の特色」「事業所の詳細」「運営状況」「その他」に分類し、「タブ」で区切ることによって、利用者が知りたい情報が探しやすいよう工夫した。さらに、印刷ボタンから印刷すると綺麗に成形されてプリントされるので、保存用の資料として使うにも便利になっている。

 また、情報量が多く、特に見づらいと指摘されていた運営情報についても、レーダーチャートを活用することにより、一目で全体像が把握できるよう工夫している。(図2)

 文章についても専門的で分からないとの指摘を踏まえ、一般の方でも分かるように整理。配色も高齢者でも見やすくなるよう工夫し、絵や図を活用して、親しみやすいホームページを心掛けた。

初めてでも迷わず使える

 ②「操作方法が難しい」という課題には、ネット初心者でも迷わず、必要な情報が得られるように、トップ画面で「地図から検索」「サービスから検索」「その他の検索」の3種類の検索方法を、大きなボタンで表示することにより、簡単に事業所の検索ができるようになっている。

 特に地図からの検索機能は、モデル事業での評判が高かったため、新システムの目玉として導入した。画面が長くならないよう、地図上に表示される事業所は最大5件に留めるなどの工夫もしている。(図3)

 介護保険制度を全く知らない人でも、システムが使えるよう、ヘルプ機能では操作説明だけでなく、介護保険制度の仕組みやサービスの利用方法なども分かりやすく解説し、充実させている。

事業所にもメリット

 ③「事業所の特色がわからない」という課題に対して、新システムでは「事業所の特色」というページを設けている。

 ここでは、事業所がアピールしたい事業所の特色を一つのページにまとめて表示し、写真や動画についても閲覧できるようにしている。従業員やサービス内容の特色、入所施設などの空き状況などが投稿できる。

 さらに事業所の特色が比べられるように、選択した事業所を、一つの画面で同時に3つまで比較できる機能もある。(図4)

 今回の法改正によって、年1回の調査が「都道府県知事が必要と認めたとき」と任意になったため、利用者が訪問調査を受けた事業所がどこであるかを認識できるよう、一目で分かるアイコンで表示している。

 また、「自ら希望して調査を受けた事業所」やサービスの質を向上させるための「第三者評価」を受審した事業者は、検索結果の上位に表示される仕組みも設けている。

都道府県の独自項目も

 その他の特徴では、今回のシステムから、都道府県が地域の実情に応じて、独自に項目を設定できるほか、都道府県の任意で、トップ画面に地域包括支援センターの事業所一覧ページや、調査を拒否するなどの理由で、未掲載となっている事業所の一覧ページを設けたりすることもできる。

 また、今回のシステムの見直し後も、世の中のニーズや、社会の変化に継続的に対応していくため、アンケート調査のページも常設し、様々な意見を定期的にシステムに反映していくことができる仕組みにしている。

 今後のスケジュールは、9月10日から厚生労働省のホームページで、新システムへの変更の告知を行い、24日には都道府県に新システムを提供。10月1日から新システムの運用が始まる予定。

  • 厚生労働省 山田係長.JPG
  • 厚生労働省老健局振興課 介護サービス振興係 山田大輔係長
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  • 【図1】都道府県トップ画面
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  • 【図2】運営情報レーダーチャート
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  • 【図3】地図表示
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  • 【図4】事業所の比較

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