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ケアマネジャーケアマネアンケート 予防プラン移行「反対」60%2020年1月16日14時17分

「業務負担と報酬が釣り合わない」

 2021年の制度改正で論点となった、地域包括支援センターの業務体制の在り方。その中で予防プランを居宅介護支援事業所に委託するのではなく、そもそも移行してはどうかという議論が介護保険部会で起きた。結論は、介護予防支援業務は引き続き地域包括が担うことになり、外部委託を行いやすい環境整備を進める必要があるとされた。

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 本紙は11月~12月にかけて、全国のケアマネジャーを対象に介護予防支援の移行の賛否についてアンケート調査を実施した。調査の結果、居宅への移行に「賛成」は36%、「反対」は60%で、「反対」が「賛成」を上回った。移行に反対する意見は、その多くが、委託か移行かの以前の問題として、報酬の低さを理由にあげた。移行に賛成する意見は、予防プランを包括と居宅の両方が関わることは非効率であるとし、居宅介護支援費と同様に、一貫して居宅が予防プランを担う方が合理的とするものが多かった。

 2021年制度改正に向けて開催された社会保障審議会介護保険部会で、地域包括支援センターでは、介護予防支援のために費やしている時間がもっとも長く、総合相談業務や一般介護予防事業などよりも長くなっていると指摘された。地域包括支援センターの予防プラン作成業務負担が課題になり、居宅介護支援事業所へ委託できる現状から、居宅介護支援事業所へ予防プランを移行してはどうかという議論に発展した。

 しかし、国が12月に提示したとりまとめ案では、介護予防プランは、引き続き地域包括が担うとしつつ、外部委託を行いやすい環境整備を進める必要があるとした。

 現場のケアマネジャーは予防プランの居宅介護支援事業所への移行の是非をどう考えていたのか――。全国152人のケアマネジャーの意見を見ていこう。

 集計結果は、予防支援を地域包括から居宅へ移行させるのに「賛成」55件(36%)、「反対」91件(60%)、「その他」6件(4%)となり、「反対」が全体の6割を占めた。

 賛成・反対の理由を自由記述で尋ねた。

 「反対」から見ていくと、理由として、介護報酬の低さや業務の煩雑さ、持ち件数のしばりを指摘する意見が多かった。現状の委託であれば、居宅介護支援事業所の状況で「委託を受けない」という選択もあり得るが、移行となると、居宅介護支援事業所は、原則的に介護予防プランを受けざるを得なくなる。06年に地域包括支援センターが誕生し、要介護と要支援の区分がされた。介護予防支援(予防プラン)は、地域包括の役割となり、地域包括は居宅介護支援事業所へ委託することが可能になった。ただ、その際、予防プランの介護報酬は大幅に引き下げられた。地域包括は、地域包括ケアの中心的な位置づけとして様々な地域課題への対処が義務づけられた結果、地域の高齢者の現状を直接見る絶好の機会であった予防プランの作成業務が、年々増大する業務負荷に対応が困難な場面も見られるようになり、21年改正論議で居宅への移行が議論の争点にまでになった。現在、予防プランの約半数が居宅介護支援事業所へ委託されている。

 「反対」の理由として、「プラン料が少なすぎる。介護費を抑えたいのであれば包括が行うべき」(東京都、男性)や、「予防の利用者の方が、訪問回数が多い時もあり、サービス費が少ないと感じている。金銭的に居宅に移行するのであれば居宅にも支援費を検討して欲しい」(和歌山県、女性)、「要介護と同じ居宅支援費として算定するのであればよいと思う。もし委託料と同じ金額であれば反対」(広島県、女性)といった、負担のわりに報酬が低いとする意見が多く寄せられた。

 委託費は自治体で取り決めることが可能だが、厚労省の調査によると実際には介護予防支援費の431単位ほどで賄える範囲で設定しているケースが多いという。

 関連して、「居宅のケアマネも限度数の中で業務を遂行しており、予防プラン作成を持つ余裕がない」(福岡県、女性)など。介護予防支援費を算定しては、経営が難しくなるといった意見も上げられた。

 その他に多かったのが、地域包括支援センターとの連携の難しさを指摘する意見。委託では、予防プラン作成は地域包括と居宅の連携になるからだ。「今の包括支援センターの考えがわからないことがあり、共に考えるという姿勢が見られないこともある」(和歌山県、女性)などの意見も出された。

移行「賛成」36% 「包括だけでなく利用者の負担も減る」

 一方、「賛成」と答えたケアマネジャーで多かったのが、予防プランを居宅で引き受けることで、地域包括の業務負担が軽減できるとする意見。「地域包括の業務負担軽減が必要だと思う。委託の場合でも、地域包括には契約内容などを利用者や家族への説明する手間が残る」(広島県、男性)、「地域包括支援センターの本来の業務が出来ていない現状があり、業務量の見直しが必要」(富山県、女性)など、地域課題を地域包括ともに支えていこうというスタンスの回答が多かった。

 また、「窓口が分かれていては、要支援と要介護をいったりきたりしている利用者のプランが継続されにくく、更新のたびにケアマネが変わるので利用者もとまどう」(東京都、女性)といった、要介護から要支援を行き来する際にスムーズな移行につながるとする意見も多く上げられた。

 介護予防支援費431単位をどう見るか。「少ない」141件(93%)、「適切」9件(6%)、「多い」0件(0%)、「その他」2件(1%)となり、「外部委託を行いやすい環境整備を進める必要」とする国の方向性から見直しを期待する結果になった。

お詫び:アンケートQ3で、「予防プラン上限8件」について、上限件数の評価を尋ねましたが、このルールは2012年改定で廃止とされており削除します。

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