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ケアマネジャーケアマネアンケート EPA訪問介護解禁 賛成65%2016年12月15日07時05分

1205care.jpg 厚生労働省は10月4日、「外国人介護人材の受入れのあり方に関する検討会」を開き、EPA(経済連携協定)に基づく、フィリピン、インドネシア、ベトナムの3カ国の介護福祉士を対象に、訪問介護に従事できることを決めた。この外国人介護福祉士の訪問介護解禁を、現場で働くケアマネジャーはどのように受け止めているのか――。本紙がアンケートを行ったところ、65%のケアマネジャーが外国人介護福祉士の訪問介護解禁に「賛成」の考えを持っていることが分かった。

 外国人介護福祉士候補者の受入れはEPAに基づき、2008年度から始まった。候補者は原則4年間、介護施設で働きながら介護福祉士資格の取得を目指す。これまでに入国した候補者の数は2,106人。そのうち国家試験に合格し、介護福祉士の資格を取得したのは317人となっている。

 深刻な人手不足を背景に、EPA介護福祉士については、更なる活躍促進を求める声があり、厚生労働省では8月から、就労範囲に訪問系サービスを追加する方向で検討を進めてきた。10月4日には必要な対応の報告書を取りまとめており、早ければ来年4月にもEPA介護福祉士が訪問介護などに従事できるようになる。

 この外国人介護福祉士の訪問介護解禁について、本紙では10月~11月にかけて、現場で働くケアマネジャーにアンケートを実施。全国のケアマネジャー469人から回答を得た。

 外国人介護福祉士の訪問介護解禁の賛否を尋ねたところ、「賛成できる」が65%、「賛成できない」が29%、「その他」が6%という結果になり、多くのケアマネジャーが外国人介護福祉士の訪問介護解禁に賛成の考えを持っていることが分かった。

 その理由を自由記入で尋ねたところ、「賛成できる」で最も多かったのは、「人手不足のため、止むを得ない」とする意見。

 「今後、高齢化は深刻な問題であり、増え続ける要介護者のための介護人員を確保するには外国人に頼るしかない」(茨城県、女性)、「利用する方によっては抵抗感が強く、拒否をされる方もいるかもしれないが、現在の人手不足の状態からみると賛成」(青森県、男性)、「現状の訪問介護員(ホームヘルパー)の人材不足を考えると賛成。ただし、重要な課題は、利用者及びその家族が外国人のヘルパーを受け入れてくれるかどうか。訪問介護は、介護員と利用者が1対1になるため、日本人でも難しい『信頼関係を築く』という点においては、かなりハードルは高いと感じる」(奈良県、男性)など、利用者との関係に不安を感じながらも仕方ないとする意見が多く寄せられた。

 また、「賛成できる」で同様に多かったのが、「やる気や能力があれば国籍は関係ない」とする意見だ。

 「外国人、日本人ではなく、しっかりコミュニケーションがとれ、信頼を得ることができれば国籍は関係ないと思う」(島根県、女性)、「外国の方であっても、利用者に対する温かい気持ちや専門性を持って支援してもらえるのであれば賛成。訪問介護事業所や周りのサポート体制を整えて、連携を図れば、従事は可能だと思う」(福岡県、女性)などの意見があった。

 この他の意見で目立ったのは、「アジアの方達は、高齢者や目上の方達に対し尊敬の念が強く、やさしいとの評判がある。やさしさに飢えているお年寄りには人の温もりが喜びにつながるのではないか」(東京都、女性)、「外国人の方は熱心というイメージがあり、しっかりと携わってくれると思う」(富山県、女性)など、ホスピタリティやモチベーションで外国人ならではの良さが期待できるとの意見があった。

不安な 「言葉・文化の違い」

 一方、「賛成できない」と答えたケアマネジャーで圧倒的に多かった意見は、「言葉・文化の違い」を指摘する意見だ。

 「日本の文化を知らずして高齢者とのコミュニケーションは難しい。また、日本人ならあたり前の常識やしきたりなどがわからずして現場に入ることはトラブルのもとになる」(茨城県、女性)、「利用者との会話、意志疎通が難しい。文化、習慣も違う。コミュニケーション、日本の風習等、教育を積み、日本人と変わらない応接の仕方ができればよいが、その基準の判断も難しい」(神奈川県、女性)、「外国の方の雇用に関して致し方ない部分はあるかも知れないが、ヘルパーの養成を見ていても日本人ほど細かくない。陽気で明るい事は良いことであるが、緊急時の対応などをどうするのか」(群馬県、女性)、「特に田舎は方言、言葉でのコミュニケーションが多い。技術はあっても精神面での対応ができるのか不安」(島根県、女性)など、多くの意見が寄せられた。

 また、「訪問介護となれば1人での行動となるため、トラブルが発生するのではないかと思う」(兵庫県、女性)、「個人宅への単独訪問で、倫理感の違いなどによるトラブルが心配」(愛媛県、女性)など、利用者と1対1の関係になるため、トラブルを心配する意見も多くあった。 この他の意見で目立ったのは、「外国人に訪問介護を解禁しなくても維持できる介護システム構築に取り組むべき」(茨城県、男性)、「日本人の有資格者が就労していない現状では、国外から就労者を雇い入れることより、国内の就労者を増やす方法を先に検討してほしい」(宮崎県、女性)、「日本人の介護有資格者は多数いるが次々と離職している。その原因の多くは職場の労働環境の劣悪さだと思われる。環境改善を行わないまま、外国人介護士を安価な労働力として受け入れることに到底賛成はできない」(愛媛県、女性)など、外国人に頼らなくてもよい労働環境の改善に取り組むべきとする意見が多かった。

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