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ケアマネジャーケアマネアンケート 集中減算「見直すべき」85%2016年7月22日07時00分

「良い事業所を選ぶ」≠囲い込み

 ケアマネジメントの公正・中立やサービスの質の向上を目的に創設された居宅介護支援の特定事業所集中減算。今年になって会計検査院から見直しを求める報告書が出されたのを受け、本紙では現場で働くケアマネジャーに特定事業所集中減算に関するアンケートを実施。その結果、85%ものケアマネジャーが同減算を「見直すべき」との考えを持っていることが分かった。

0705cma.jpg 特定事業所集中減算は、ケアマネジメントの公正・中立を担保する仕組みとして、居宅介護支援事業者が正当な理由なく特定の事業所にサービス利用を集中させた場合に減算となる仕組み。

 2015年度の介護報酬改定では、減算の対象となるサービスが従来の3サービス(訪問介護、通所介護、福祉用具貸与)から、在宅の全サービスに拡大され、集中割合も「9割以上」から「8割以上」に引き下げられている。

 特定事業所集中減算を厳格化することで、利用者の囲い込みなどを抑制していこうとする国の考えに「待った」をかけたのが会計検査院。今年3月に特定事業所集中減算について「一部の事業所では減算が適用されないように集中割合の調整を行うなど、公正中立を推進する合理的な施策といえず、弊害を生じさせる要因になっている」と指摘し、見直しを求める報告書を国会に提出した。

 これを受け、厚生労働省も4月の社会保障審議会で、次期制度改正に向け、同減算の見直しを検討する考えを示している。

 こうした一連の流れを受け、本紙は現場で働くケアマネジャーに対し、特定事業所集中減算に関するアンケートを実施。その結果、同減算を「見直すべき」と考えるケアマネジャーが85%に達することが分かった。

 具体的な理由を自由記述で尋ねたところ、最も多かったのは、「プロとして質の高い事業所を紹介した結果、減算の適用になってしまう理不尽さ」を主張する意見。

 「ケアマネとして素晴らしいサービス事業所を利用者に勧めたいと考えるのは当然であり、8割を超えるからと、そこより劣ると分かっている事業所を紹介するのは納得できない」(大阪府、男性)、「良い事業所に人気が集まるのは当然。減算を避けるためにケアマネが別の事業所を紹介しなければならないとしたら、それこそ不当。こんな馬鹿げた制度は即刻中止すべき」(北海道、女性)などの意見があった。

 同じく多かったのは、「利用者が希望した結果、減算の適用になってしまう理不尽さ」だ。

 「利用者の希望により、集中してしまうことがある。利用者の要望を無視して、事業所側の都合により利用者本位のサービスが受けられないのは、国が謳っている理想とはいささか違うのではないか」(群馬県、女性)、「利用者が使いたいサービス事業所を自由に選ぶ権利があるのに、集中減算があるために、ケアマネが調整してしまうのでは、利用者のための介護保険になっていない」(大阪府、女性)などの意見が寄せられた。

 特定事業所集中減算の問題点は、サービスの集中が必ずしも不適切な囲い込みだけではないという点で、そこに多くのケアマネジャーが納得できていないようだ。

 この他に多かったのは、「住所地によっては、サービスが選べなかったり、代替となるサービス資源自体がないこともある」(北海道、女性)、「事業所の立地条件や利用者宅からの距離などの関係で、利用者の希望が偏ることは当然にある」(広島県、男性)など、地域や立地により、サービスが偏る問題を指摘する意見や、「必然的に利用者を紹介するにあたり、連携しやすいところを勧めることはあり、依頼先に偏りがでることはある」(神奈川県、女性)、「ケアマネが偏った事業所を選んだり、勧めたりするのはもっての他だが、長年の利用で連携の取りやすい事業所は確かにある。それを無理に他の事業所を勧めることについては、一考を要すると思う」(大阪府、女性)など、連携の取りやすい事業所のメリットが考慮されない点を指摘する意見などがあった。

 多くのケアマネジャーが特定事業所集中減算を「見直すべき」と答えた一方で、「見直すべきではない」と答えたケアマネジャーも12%いた。

 自由記述で多かった意見は、「集中減算があることで、集中割合の調整を行い、サービス事業所を公平に選択することができている」(茨城県、女性)、「集中減算がなければ、どうしても特定の事業所に偏りがちになるため」(大阪府、男性)など、ケアマネジメントの公正・中立を担保する上で減算が機能しているとする意見。

この他、「囲い込みという現実があるため、集中減算は必要」(大阪府、男性)、「理由書があれば、きちんと認められるのであれば」(広島県、男性)などの意見もあった。

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