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ケアマネジャー日本ケアマネ学会北九州大会 国を越え課題共有2016年7月18日07時00分

  日本ケアマネジメント学会(白澤政和理事長)は6月18日、19日に北九州国際会議場で「第15回研究大会in北九州」を開催した。メインテーマは、「すべての人々の明るい未来を目指して~ケアマネジメントを担う人々の専門性を探る。アジアへの発信!~」。2日間で約1,200人が参加し、会場では、韓国、台湾、日本の3カ国による合同シンポジウムが行われた。

全国から1200人のケアマネが集う.jpg 初日の開会式で、白澤政和理事長は、「ケアマネジャーの専門性を発信することが本大会の主旨。学会での発表が主任ケアマネジャーの更新要件の一つとして位置づけられていることに対し、学会としてエビデンスを積み上げて現場のケアマネジャーを支援していく」と挨拶した。

 2日目は3カ国による合同シンポジウム「アジアへの発信」を開催。台湾からは台北看護健康大学の李光廷副教授、韓国からはソウル基督教大学の黄美京教授、静岡福祉大学の張昌鎬氏、日本は大会長の白木裕子氏がシンポジストとして登壇し、各国のケアマネジメントと関連する制度について現状と課題を報告した。

ケアマネジメントの課題

 最初に登壇した李氏は、台湾のケアマネジャー業務を解説。台湾では現在、原則65歳以上の要介護認定を受けた高齢者などに対し、介護サービスを支給する制度があり、要介護認定は各県・市の「長期ケア管理センター」と契約したケアマネジャーが担当する。

 日本と比較すると、認定に要する時間が短いため、迅速にサービスを提供できるメリットもあるが、「認定者の中立的な判断を保ちにくい」と分析した。

 さらに、台湾ではケアマネジャー1人あたり、200人~400人の利用者を担当しており、モニタリングが行えていない現状を報告。そのため、初回のアセスメントが重要だとし、認知症のアセスメント研修の導入など、研修の充実を課題として挙げた。

 次に登壇した黄氏、張氏は、韓国の「老人長期療養保険制度」を紹介。同制度は2008年に始まり、現在65歳以上の高齢者662万人のうち約7%の47万人が介護サービスを利用している。認定調査は、保険者である「国民健康保険公団」の職員が担当。自宅を訪問した上で、「標準長期療養利用計画書」を作成するが、計画書には拘束力がないため、利用者は自由にサービスを選択できる。黄氏は「ケアプランを作成するケアマネジャーがいないこと」を挙げ、適切なサービス利用に結びつきにくい現状を報告した。

 また、サービス事業所の多くは営利企業で、競争過多が起こっていると説明。介護サービスの質確保へ、ケアマネジメントの制度化を課題とした。

 日本の介護保険制度におけるケアマネジメントの課題について白木氏は①民間事業者に雇用されている立場から公正中立を担保しにくい②資格取得後の力量形成のプロセスの確立――の2点をあげる。

 「ケアマネジャーが介護保険制度の普及、定着に関して寄与した点は評価されている」と説明し、さらに「地域包括ケアシステムの中で果たす役割には責任と期待が大きくかかっている」と述べた。

 一方で、「ケアマネジャーが必要なのか」といった意見も一部だがあると同氏。「ケアマネジャーの役割は、介護保険制度の根幹である自立支援」と述べ、自らが担当する事例を報告した上で、「専門職としての自立が求められている」と強調した。

 学会としてケアマネジャーの人材育成のプロセス「スーパービジョン」をさらに推進していく意向を示した。

 その後の意見交換では、オブザーバーとして厚労省老健局振興課長(前職)の辺見聡氏も参加。同氏は「ケアマネジャーは、地域包括ケアシステムの中でますます重要度を増していく。地域ケア会議を積極的に開催し、行政を主導する勢いで頑張ってほしい」と述べた。

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