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ケアマネジャー【インタビュー】日本介護支援専門員協会 鷲見よしみ会長2016年3月18日07時00分

保険者機能の強化は「現場への理解」が前提

 次期制度改正に向けた議論では、給付や負担のあり方などサービス利用に深く関わる事項や、ケアマネジメントのあり方も審議される。介護保険部会の委員で日本介護支援専門員協会会長の鷲見よしみ氏に話を聞いた。

0304sumi.JPG 介護保険部会が再開され、次期改正の議論がスタートした。年内のとりまとめまで協会も注力していく。

 検討事項案には、ケアマネジメントのあり方が盛り込まれ、「介護支援専門員業務に係る指導監査事務の市町村への付与等」が審議される。昨年12月に閣議決定された「平成27年の地方からの提案等に関する対応方針」を受けたものだ。また前回の改正事項だが18年4月には、居宅介護支援事業所の指定権限が市町村に移行することが定められている。

 保険者である市町村に、ケアマネジャーや居宅介護支援事業所に関わる権限が次々移されようとされている。保険者との連携は当然重要で、それを否定するつもりはない。ただ保険者機能の強化は、保険者の現場の十分な理解が前提となる。

 利用者が抱える課題は年々、多様化・複雑化しており、ケアマネは支援に奮闘している。効率化にばかり意識が向いている保険者の目には、その奮闘が非効率に映っているのかもしれない。利用者の自立支援という介護保険の理念が共有されないまま、保険者機能強化の名のもとに権限移譲が進み、保険者との適切な関係が崩れると、利用者は蚊帳の外といった状況を生み出すことにならないだろうか。大きな懸念を抱えている。

 常に利用者を中心に置いて、保険者とケアマネは手を取り合って、その人を支えていく体制を構築していかなくてはならない。保険者が現場に精通したケアマネと連携を図ることができる仕組みを提案していきたい。

 継続的・包括的ケアマネジメントの推進も主張していく。例えば小規模多機能は在宅サービスだが、サービスにケアマネジメントが内包され、利用開始時にケアマネは変更となる。しかし、サービスの枠に止まることなく、経済状況や社会交流など、多様な要素も含めたケアマネジメントが引き続き提供されるためには、居宅のケアマネが切れ目なく関わり続けられる「主治ケアマネ」のような仕組みが必要だ。

 居宅介護支援費の利用者負担導入には、協会として反対の声を上げていく。サービスの入り口であるケアマネジメントを使いにくくしてはならない。またケアマネは介護サービスに繋げ、給付管理を行うだけではなく、利用者とともに日々悩み、利用者の手足となって活動している。こうしたケアマネが身近にいることで、本人・家族の安心感に繋がっている。数字に表れる部分ではないかもしれないが、こうしたケアマネの役割を訴えていくことも協会の使命だと考えている。

財務省の抑制案「乱暴すぎる」

 部会では給付のあり方についても検討事項として示された。財務省は、要介護2までの全サービスを地域支援事業へ移行することを求めているが、率直に言って乱暴すぎる。前回の改正で訪問・通所介護の予防給付が地域支援事業に移行したが、大半の保険者は経過措置の最終年度に移行時期を遅らせており、誰が見てもサービスの受け皿が整っていないのは明らかだ。

 また生活援助や福祉用具・住宅改修の原則自己負担化も財務省は主張しているがこれも認められない。ケアマネからみて、利用者の自発的な行動を促したり、本人の意欲を引き出すには、環境が整っているかどうかが大きく関わっている。サービスが使いにくくなることによって、利用者の自立支援を阻害してしまいかねない。検討を重ね、6月までには具体的な提言をまとめ部会へ提出したい。

 繰り返しになるが、ケアマネは経済状況や家族関係、社会との孤立など、複雑化する利用者のニーズと向き合っている。多様な支援の実践が求められており、そうしたケアマネを1人でも多く育成することも今後の協会の課題だ。

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